波板コラム

ポリカーボネートとアクリルの違いとは?メリット・デメリットを比較

カーポート波板施工4
「カーポートの屋根をポリカーボネートとアクリルのどちらにするか悩んでいる」
「ポリカーボネートとアクリルのメリット・デメリットが知りたい」

雨風にさらされるカーポートやベランダの屋根は、耐久性があり強度の強いポリカーボネートがおすすめです。

ただしアクリルにも魅力があるため、どちらを使用するか悩んでいる方もいるでしょう。

本記事を読むことで、ポリカーボネートとアクリルのメリット・デメリットが分かります。

カーポートやベランダ屋根の建材をどちらにしようか悩んでいる方はぜひ読んでください。

ポリカーボネートとアクリルの違いとは?

フックを使った波板 6
ポリカーボネートの強度はアクリルの数十倍とされ、衝撃に強いという特徴があります。

ポリカーボネートはアクリルよりも耐熱温度が高く、暑さ・寒さに対応可能です。

火元を離すと自然に火が消える「自己消火性」を備えているため、アクリルと比較してより燃えにくい性質もあります。

ポリカーボネートはアクリルと比較して、屋外のカーポートやベランダの屋根材に適しています。

ポリカーボネートとは?

ポリカ屋根
「ポリカーボネート」とは、ガラスの数百倍の強度を持つ透明プラスチック素材で、「ポリカ」とも呼ばれます。

汎用プラスチックよりも強度や耐熱性に優れており、加工しやすい素材です。

ただしアクリルよりも耐熱性・強度ともに高いことから、カーポートやベランダの屋根などに用いられやすい素材です。

ポリカーボネートの使用例

ポリカーボネートは透明性を維持しつつ割れにくさ、壊れにくさが求められる製品に多く用いられます。

【ポリカーボネートの使用例】
・自動車のヘッドランプ
・航空備品
・防弾盾
・家電製品
・カメラのレンズ
・ヘルメット など

精密な加工を可能にする寸法精度の高さから、航空備品にも採用される素材です。

ポリカーボネートの種類

ポリカーボネートは用途に合わせた3つの形状があります。

・平板
・波板
・中空ポリカーボネート

平らな形状の「平板」は熱に強く強度が高いため、飛来物や雨風の強さ、全天候に対応しています。

板が波打つような形状の「波板」は雨水を排出しやすく、屋根材として利用されることがあります。

薄いポリカーボネートを2枚重ねて空気層を作った「中空ポリカーボネート」は、費用や施工にかかるコストが低めです。

摺りガラスと同じような用途が多く、パーティションにも利用されます。

ポリカーボネートは傷つきやすい?

ポリカーボネートはアクリルと比較して柔らかいため、表面に傷がつきやすいです。

傷つきやすいため、屋根のポリカーボネートを掃除するときは水で洗い流し、必要があれば柔らかい布やスポンジを使用します。

また薬品にも弱いため、洗剤を使うならば中性洗剤を活用しましょう。

ポリカーボネートのメリット

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ポリカーボネートのメリットは、プラスチック材で最高レベルの強度と耐久性の高さです。

防弾盾や保護メガネに採用されていることからも、ポリカーボネートの強度の高さが伺えます。

ポリカーボネートは電気を通しにくい「絶縁性」を持っており、ブレーカーの端子台にも使用されます。

ドライヤーや電子レンジにも使用されるほど耐熱性が高い点もメリットです。

耐衝撃性が高くて割れにくい

ポリカーボネートは耐衝撃性が高いため、ちょっとやそっとの衝撃では割れません。

ポリカーボネートの強度の高さは、ガラスと比較すると数百倍、アクリルでは数十倍もの違いがあります。

高い耐熱性、断熱性を持つ

ポリカーボネートは断熱性が高く保温効果があります。

外壁材や屋根材として使用すると冬は熱を外に逃しにくいため暖かく、夏は外からの熱を通しにくくなり、空調効率が上がります。

耐候性が高い

暑さや寒さ、雨風といった自然環境への耐性(耐候性)が高いことが、ポリカーボネートのメリットとして挙げられます。

屋根は太陽光が長時間当たりやすいため屋根材が劣化しやすいです。

ポリカーボネートは耐候性が高くて自然環境を要因とした劣化が発生しにくいため、屋根材として活用されやすいです。

燃え拡がりにくい

ポリカーボネートは難燃性が高く、燃えにくい素材です。

火元から離すと自発的に消える「自己消火性」を備えているため、屋根が燃え広がるのを防げます。

仮に燃えても有害ガスが発生しないため、外壁やカーポートの屋根をはじめとした建材としての使用に向いています。

ポリカーボネートのデメリット

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ポリカーボネートは硬度が低いため、表面に傷がつきやすい点がデメリットです。

薬品にも弱いため、掃除では十分な注意が必要です。

繰り返し負荷を加える「疲労強度」に弱い点もデメリットとして挙げられます。

表面に傷がつきやすい

ポリカーボネートは硬度が低く、表面に細かな傷がつきやすいです。

掃除では雑巾の使用を控え、水で流しましょう。

薬剤に弱い

ポリカーボネートはアルカリ性薬剤に弱く、ヒビの発生など劣化の原因になります。

掃除は水で洗い流すほか、必要があれば中性洗剤を使用しましょう。

また接着剤や灯油などの有機溶剤にも弱く、割れや変形をおこしやすくなります。

繰り返しの負荷に弱い

ポリカーボネートは繰り返しの負荷への耐性がそれほど高くありません。

ただし表面をコーティング加工することで対策可能です。

アクリルのメリット

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アクリルのメリットは下記の2つです。

・透明度が高い
・加工性が高い

詳しく見てみましょう。

透明度が高い

アクリルの透明度を表す「光線透過率」は、ガラスをも凌ぎます。

透明度の高さが求められる水族館の大型水槽の外壁や、飛行機の窓にも使用されてきました。

加工性の高さ

アクリルはポリカーボネートと比べて硬度が高く、より表面の傷がつきにくい点がメリットです。

ガラスと比較すると硬度は低いものの、ポリカーボネートほど繊細ではありません。

アクリルのデメリット

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アクリルのデメリットは3つあります。

・熱に弱い
・燃えやすい
・たわみやすい

詳しく解説します。

熱に弱い

アクリルは高温になると変形が始まるため、直射日光が当たる場所には向いていません。

直射日光が当たり温度が上昇しやすい温室やテラス、カーポートの屋根に使用するならば、ポリカーボネートが適しています。

燃えやすい

熱に弱いアクリルは燃え広がりやすい点がデメリットです。

燃えると穴があきやすく、火災に弱いです。

たわみやすい

アクリルはガラスやポリカーボネートと比較して、たわみが生じやすいです。

アクリルに十分な厚みをつけることでたわみ対策になりますが、厚みを増すためにはコストがかかります。

ポリカーボネートとアクリルの用途の違い

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強度の高さや難燃性、防犯性の高さといった観点からカーポートやベランダの屋根材としてはポリカーボネートが適しています。

アクリルは透明度が高いため、直射日光があたらない室内窓やパーティションなど、屋根以外の箇所で使用した方が良いでしょう。

ポリカーボネートの用途

低温~高温まで対応する熱に強い全天候型のポリカーボネートは、カーポートの屋根、外壁や住宅の屋根にも採用されます。

自己消火性を備え燃え広がりにくい点や、防弾盾にも使用される強度は、外窓の使用で防犯性能が高いでしょう。

カーポートの屋根で使用される理由は、直射日光にも対応する耐熱性の他、耐衝撃性の強さです。

強い雨風にも耐え得る強度、強風時の突然の飛来物にも、より対応できます。

【ポリカーボネートの用途例】
・カーポートの屋根
・全面採光窓
・バルコニーの目隠し
・テラスの屋根

主に上記の箇所でポリカーボネートは使用されます。

アクリルの用途

一方、アクリルは室内ドアや階段の手すりなど、室内の建材に向いています。

子ども部屋の室内窓など、透明度が欲しい場所に適しています。

DIYでは扱いやすく接着剤やカッター使用にも向いているアクリルが向いているでしょう。

また店舗でのアクリル使用度は高く、特に店舗看板やディスプレイで活躍しています。

アクリルを使用するなら、直射日光があたらない室内が向いています。

【アクリルの用途例】
・階段の手すり
・室内ドア
・内窓
・パーティション、間仕切り

アクリルは極端な高温にならない室内での使用に向いています。

ポリカーボネートとアクリルの違いを理解して選ぼう

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ポリカーボネートはカーポートやベランダ屋根など、日光が当たる環境での使用が向いています。

一方でアクリルは透明度が高いため、室内窓といった活用方法が向いています。

もしベランダやカーポートの屋根材にお悩みであれば、価格はアクリルと同じくらいなのに機能性にすぐれているポリカーボネートの採用を検討してみましょう。

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内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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