波板コラム

ポリカーボネート製の波板の特徴とは?施工費用やサイズなどを解説

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波板屋根を施工する際に、素材の中で「ポリカーボネート」という単語を耳にする場合もあります。

しかし、どのような素材で施工にはいくらかかるのか、詳しく知らないという方も多いでしょう。

そこで、この記事ではポリカーボネート製の波板について、以下のような情報を解説します。

・ポリカーボネート製の波板の特徴
・ポリカーボネート製の波板の交換方法
・ポリカーボネート製の波板の施工費用
・施工費用を抑えるための方法
・施工をする際の注意点

記事を最後まで読んでいただければ、ポリカーボネート製の波板について詳しく理解できて、施工の際のお悩みを解決しやすくなります。

ぜひ最後までお読みください。

ポリカーボネート製の波板の特徴

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ポリカーボネートは、ポリカーボネート樹脂が原料であり、耐久性や耐候性に優れているだけでなく衝撃にも強い素材です。

また、強度が高い素材でありつつ、軽量で、カッターで切断できるため施工がしやすいという特徴があります。

ポリカーボネートの耐用年数は10年ほどとなります。

ポリカーボネートの主な特徴は下記の通りです。

・軽量
・高耐久
・高耐衝撃性
・高耐候性
・安価
・透明度
・自己消火性

1つずつ詳細を確認していきましょう。

軽量

ポリカーボネート波板は、1平方メートルあたりの重さが約1kgと非常に軽量です。

数ある屋根材のなかでもっとも軽量なため、屋根を支える下地も最低限の強度で仕上げられます。

ポリカーボネート波板はとても取り扱いやすいため、DIYの素材としても人気があります。

高耐久

ポリカーボネート製の波板は、屋外で使用する場合でも耐用年数が約10年と長持ちする素材です。

耐久性に優れており、アクリル製波板の20倍の強度があります。

ただし耐用年数が近づくと耐久性が低下します。

耐久性が低下したポリカーボネート波板は割れやすくなるため、耐用年数を過ぎたり劣化症状が現れたりしたタイミングでの交換が必要です。

高耐衝撃性

ポリカーボネートは、硬質塩ビニル材と比較すると約30倍もの耐衝撃性があります。

プラスチックのなかでもトップクラスの強度があり、成人男性がポリカーボネートの上に乗ったりハンマーで叩いたりしても割れることはありません。

厚みは異なりますが、機動隊が持っている防弾盾もポリカーボネート製です。

高耐候性

ポリカーボネート波板は表面に紫外線をカットする特殊加工が施されています。

樹脂製でもあるため熱伝導率や熱吸収率が低く、日に当たっても暑くなりにくいのが特徴です。

そのため、駐車場の屋根やテラスの屋根としての使用に適しています。

安価

ポリカーボネート波板はとても安価な材料です。

安価な理由としては、樹脂製であることや定尺商品であることなどが挙げられます。

交換する際の工事費用も他の屋根材と比較して安価なため、適切なタイミングでメンテナンスを行いやすい素材といえるでしょう。

透明度

ポリカーボネートは透明度の高さも特徴的です。

無色透明のポリカーボネートの可視光線透過率は80~90%で、ガラスと同じくらいの透明度があります。

優れた強度と透明度を活かして飛行機や工作機器の窓、カメラのレンズなどにも採用されています。

自己消火性

ポリカーボネートは自己消火性を備えた素材です。

自己消火性とは熱源が消えると自ら消火する性質のことです。

ポリカーボネートは自己消火性に優れているため、一度燃えた場合でも燃え広がりにくい性質があります。

ポリカーボネート製波板の規格サイズ

ポリカ屋根

ポリカーボネート製の波板には、以下のような規格サイズがあります。

・6尺:655mm×1,820mm
・7尺:655mm×2,120mm
・8尺:655mm×2,420mm
・9尺:655mm×2,730mm
・10尺:655mm×3,030mm

ポリカーボネート製の波板は最低6尺から販売されています。

もし、3尺や4尺といった小さなサイズが必要な場合には、半分にカットして使用するようにしましょう。

注意点は、波板は素材によって規格サイズが異なる点です。

ポリカーボネート製の6尺の面積は、1.2平方メートルほどです。

ガルバリウム鋼板製の波板の場合は、規格サイズが795mm×1,820mmで、面積にすると約1.45平方メートルとなります。

このように、同じ6尺でも面積が多少異なるため、屋根に施工する際は素材ごとにサイズをよく確認しておくようにしましょう。

ポリカーボネート製波板の単価相場

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ポリカーボネート製の波板の単価は、6尺の場合は1,500~3,500円程度となります。

7尺以降のサイズの単価は、以下の通りです。

・7尺:1,800〜3,800円程度
・8尺:2,100〜4,100円程度
・9尺:2,400〜4,400円程度
・10尺:2,700〜4,700円程度

またガルバリウム鋼板製の波板の場合は、6尺だと2,000〜4,000円程度です。

素材によって単価も異なります。

ポリカーボネート製の波板屋根を交換する際の手順

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ポリカーボネート製の波板屋根を交換する際の手順を、詳しく紹介します。

・既存屋根を撤去する
・雨樋を掃除する
・新しい波板のサイズ調整をする
・波板を支柱に設置する

波板屋根を交換する際には、一緒に雨樋も掃除しておきましょう。

屋根を取り外さないと雨樋を掃除する事ができません。

雨樋にゴミが溜まってくるので、雨水が溢れてしまい車を汚してしまったり、不快な気持ちになったりしてしまいます。

この機会にぜひきれいにしておきましょう。

新しく設置する波板を屋根のサイズに合わせてカットします。

ポリカーボネート製はハサミで簡単にカットできます。

最後に、留め具で固定しながら屋根に設置すれば交換作業は完了です。

より詳しい手順を確認されたい方は、ぜひ以下の動画を参考になさってください。

 

ポリカーボネート製の波板屋根を施工する際の費用相場

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ポリカーボネート製の波板を施工する際は5~20万円が必要となります。

ただし上記費用はあくまでも相場であり、作業環境や工事内容によって費用が異なる場合があります。

自宅のテラスやカーポートなどポリカーボネートの施工を検討している場合は、見積もりを依頼して価格を確認するのが適切です。

波板屋根の施工事例

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波板プロ(運営:株式会社ウチノ板金)では数多くの波板工事を行っています。

施工事例では波板屋根の施工写真とともに費用も記載しています。

ご自宅の波板屋根に似た事例はないか確認し、ぜひ参考にてみてください。

埼玉県狭山市 カーポートの施工事例

ビフォー

カーポート

アフター

カーポート3

・費用目安:80,000円
・作業日数:1日
・波板の色:ブロンズクリアー

家の屋根からの落雪により、波板が破損したため波板を交換することとなりました。

新しい波板は光を通すカラーにしたため、駐車スペースが明るく生まれ変わりました。

ポリカーボネートはカラーによって光の通し方が大きく異なります。

明るくしたい場合はクリア系、ほど良く光を通したい場合はマット系が好適です。

東京都小平市 ベランダの屋根の施工事例

ビフォー

アフター

・費用目安:60,000円
・作業日数:半日
・波板の色:クリアーエンボス

雹により波板が破損したため波板を交換することとなりました。

屋根からの作業が可能であったため、足場不要で施工できました。

ポリカーボネートは、カラーによって光の通し方が大きく異なります。

明るくしたい場合はクリア系、ほど良く光を通したい場合はマット系が好適です。

東京都東大和市 テラス屋根の施工事例

ビフォー

アフター

・費用目安:90,000円
・作業日数:1日
・波板の色:ブロンズクリアー

雪により破損したため、波板を交換することとなりました。

前の波板は日差しがほとんど入りませんでしたが、交換後は光が入りテラスが明るくなりました。

クリア系のポリカーボネートはよく光を通すため、明るくしたい場合におすすめです。

東京都立川市 ベランダ屋根の施工事例

ビフォー

アフター

・費用目安:80,000円
・作業日数:1日
・波板の色:クリアー

経年劣化により、波板にヒビやかけが発生していたため交換しました。

波板だけではなく木の下地も悪くなっていたため、下地から施工しました。

下地から施工する場合は、波板交換のみの場合よりも費用が高額になります。

できるだけ費用を抑えたい場合は、こまめにメンテナンスを行なうことが重要です。

ポリカーボネート波板の寿命

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ポリカーボネート波板の耐用年数は10年程です。

ただし耐用年数前に劣化症状が現れた場合は、交換を検討したほうがよいでしょう。

交換を検討したほうがよい劣化症状は以下のとおりです。

・ひび割れ
・留め具の浮き
・雨漏り

すぐに交換が必要か分からない場合は、地元の建築板金業者に点検を依頼するのが適切です。

ひび割れ

ポリカーボネートは耐久性に優れた素材ではありますが、耐用年数が近くなると耐久性が低下します。

耐久性が低下すると、ひび割れのリスクが高まります。

ひび割れは放置しても悪化する一方であり、飛散につながる恐れもあるため交換を検討するのが適切です。

留め具の浮き

ポリカーボネート波板は、経年劣化により留め具が浮いてくることがあります。

留め具がゆるむと雨漏りのリスクが高まり、強風時は飛散する恐れもあります。

波板の状態がよい場合は留め具だけの交換も可能です。

留め具のみの交換となる場合は、波板交換よりも安価なメンテナンスとなります。

そのため留め具の状態は定期的に目視で確認するのがおすすめです。

雨漏り

雨漏りしている場合はできるだけ早く点検や交換を依頼してください。

雨漏りを放置すると下地の木も悪くなる可能性が高いです。

下地の木から修理する場合は、通常の交換よりも費用が高額になる恐れがあります。

そのため耐用年数である10年が経過していない場合でも、雨漏りが発生しているときは早急に交換を検討しましょう。

ポリカーボネート製の波板の施工費用を抑えるためのコツ

火災保険

ポリカーボネート製の波板の施工費用を抑えるためのおすすめのコツには、以下の3つがあります。

・施工に慣れた業者に依頼する
・自社施工を行う業者に依頼する
・火災保険が適用できないか調べる

工事費用に不安を抱く方は、ぜひ以下で紹介する方法を試してみてください。

 

施工に慣れた業者に工事を依頼する

施工実績が豊富な板金業者に工事を依頼すると、施工不良が防ぎやすくなり、無駄な追加費用がかからなくて済みます。

波板に関する知識や技術を持たない業者に依頼してしまうと、すぐに不具合が発生して再施工が必要になる場合があるのです。

工事費用を2回支払うことになると無駄な出費となります。

そのため波板屋根の施工は施工実績が豊富で、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

 

自社施工を行う業者に工事を依頼する

自社施工を行う業者に依頼すれば、中間マージンが不要なので費用が安くなるのです。

大手はもちろん、地域密着型の業者でも中間マージンが発生する場合はあります。

ただし、地域密着型の業者は大手に比べると中間マージンの価格は低い傾向にあります。

しかし少しでも工事費用を抑えたいという方は下請けに工事を一切依頼しない、元請け会社に施工をお願いしましょう。

 

火災保険が適用できないか調べる

波板屋根の破損が、火災保険で適用されないか調べてみましょう。

波板屋根を修理する際に、破損理由が保険適用となれば火災保険が使用できるのです。

火災保険で修理できれば、費用を支払わずに工事できます。

ただし、経年劣化や故意による破損では火災保険は適用外となるため注意しておきましょう。

最近では、保険を使った波板屋根の修理を勧めてきて、高額な金額を請求するという詐欺が発生しています。

ほかに、経年劣化なのに自然災害による破損で保険申請をする悪徳な業者が急増しているので、注意が必要です。

火災保険の適用条件を一度ご自身でも確認して、詐欺に加担しないようにしましょう。

また、保険会社ではそのような悪徳業者を取り締まる動きが強化されてきています。

もちろん「波板プロ(運営:ウチノ板金)」はそのような悪質な営業をする会社ではないので安心してご相談ください。

 

ポリカーボネート製の波板を施工する際の注意点

工具

ポリカーボネート製の波板を施工する際の注意点は、主に以下の2点です。

・キズがつきやすい
・裏表を間違わない
・適切に留め具の間隔をあける
・留め具の穴は山側にあける
・有機溶剤や界面活性剤に触れさせない

波板屋根の施工を失敗しないためにも、注意点はよく確認しておきましょう。

以下にて、それぞれの注意点について詳しく解説します。

 

キズがつきやすいので扱いに注意する

ポリカーボネート製の波板はキズがつきやすいため、施工前は扱いに注意が必要です。

上に重たいモノを置いたり、落としたりしないようにしましょう。

屋根に設置する前からキズがついていると、見た目だけでなく耐久性にも影響が出る可能性があります。

ポリカーボネート製の波板を取り扱う際は、危害が加えられないような場所に保管して、早めに施工することをおすすめします。

 

施工時に裏表を間違わないようにする

ポリカーボネート製の波板には裏表があるため、施工時に間違わないようにしましょう。

商品によっては、表か裏をシールで記載している場合もあるので、先に確認しておくことをおすすめします。

またシールは施工時に再度確認できるように、設置するまで剥がさないようにしましょう。

留め具の間隔は5山おきが目安

ポリカーボネート波板の留め具は、5山おき間隔で取り付けるのが目安です。

5山以上間隔があいてしまうと、強風時に波板があおられて飛散する恐れがあります。

風が強い地域や台風の通り道となるような地域の場合は、安全性を高めるために間隔を狭めるのが適切です。

また留め具穴のサイズは、留め具の直径より1〜2mm程度大きくすると容易に留められます。

留め具を付ける穴は波板の山側にあける

留め具を取り付ける穴は波板の山側にあけてください。

波板の留め具は谷側には施工できません。

無理やり施工した場合は雨が降った際に雨水が谷側を流れるため、雨漏りのリスクが高まります。

そのため波板の留め具は必ず山側に設置しましょう。

有機溶剤や界面活性剤に触れさせない

ポリカーボネートは耐久性に優れていますが、有機溶剤や界面活性剤には弱いのが特徴です。

基本的には、ポリカーボネートと有機溶剤や界面活性剤などを接触させることはないと思います。

しかし有機溶剤や界面活性剤には、アルコールを含む除菌シートやアルカリ性洗剤など、日常生活で使用するものも多数あります。

ポリカーボネートに有機溶剤などが付着し、気付かないまま放置してしまうと、ひび割れや変形につながる可能性が高いです。

ポリカーボネートを施工する際は、有機溶剤や界面活性剤などポリカーボネートを痛めてしまう恐れがあるものには注意しましょう。

耐久性の高い波板屋根にしたいならポリカーボネート製を検討しよう

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ポリカーボネート製の波板は、耐久性が高く施工しやすい、優れた素材です。

耐用年数が10年ほどあるため、長い間交換しなくてよいです。

強度があり、長く交換工事が不要な波板屋根に仕上げたい方におすすめの素材といえます。

しかし、破損や劣化症状が見られたら雨漏りの原因となるため、専門業者に交換修理を依頼しましょう。

波板のすべてが丸わかり!名前の読み方や種類、交換方法まで詳しく解説では、波板に関する基礎的な情報をまとめています。

波板の種類や交換方法を知りたい場合はぜひご覧ください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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