波板コラム
波板のすべてが丸わかり!名前の読み方や種類、交換方法まで詳しく解説
波板とは、屋根材の一種です。
ベランダやテラス、駐車場、駐輪場などに使われているので、目にしたことがあったり、自宅の一部に波板屋根があったりする方も多いことでしょう。
波板は「安価な屋根材」というイメージがありますが、現在の製品は耐久性も高く、軽量で使い勝手がよくなっています。
本記事では、自宅のベランダやテラスなどの屋根を波板にしたいという方や、交換したいという方向けに、波板屋根の特徴やメリット、交換方法まで一挙解説します。
波板の特徴や選ぶメリットについて詳しく知りたい方は、ぜひ読んでみてください。
Contents
波板とは?名前の読み方も確認
波板は「なみいた」と読みます。
その名のとおり、波のような形をした屋根材です。
主にベランダやテラス、駐車場、駐輪場、簡易物置などの屋根に使用されています。
波板は表面を波状にすることで強度を増しており、1平方メートル当たり1kgと非常に軽くて丈夫です。
雨が流れやすい構造となっていることも、波板の特徴のひとつです。
住宅の敷地内にある駐車場や駐輪場などは簡易的な造りになっていることも多く、重たい屋根材を載せると柱への負担が懸念されます。
そのため、軽くて強度がある波板が使用されることが多いのです。
波板は加工性にも優れているので、DIY素材としても人気があります。
ホームセンターでもさまざまなサイズやタイプが売られており、自分でカットして屋根や簡易的な壁として使う方も多いです。
波板の素材別の種類は全部で5つ
波板にはさまざまなタイプがありますが、屋根材として使われる素材には5種類あります。
以下にて、素材別の特徴や耐用年数、メリット、デメリットを解説します。波板を選ぶ際の参考にしてください。
ポリカーボネート製
現在、波板の主流になっている素材がポリカーボネートです。
耐久性が高く、衝撃や気候の変化にも強いといったメリットがあります。
透明性も高いため、ベランダやテラスに設置しても明るさを損なうことがありません。
さらにほかの素材に比べると価格が安定しているため、入手しやすいです。
ポリカーボネート製の耐用年数は10年ほどあるので、メンテナンスの手間があまりからないことも嬉しいポイントです。
なお、波板プロ(運営:ウチノ板金)で施工する波板屋根は優れた点が多いポリカーボネート製を使用しています。
デメリットは、ポリカーボネート製には裏表があるため、施工の際に注意が必要となることです。
ガルバリウム製
ガルバリウムとは、アルミ亜鉛合金メッキの鋼板です。
防食性や耐久性が高く、強度も優れているため、住宅だけでなく工場の屋根にも使われています。
耐用年数は15~20年ほどで、ポリカーボネートに比べると5~10年ほど長く使えるのもメリットです。
また遮熱性もあるので、屋根材に用いると太陽光の熱を通しにくくなっています。
断熱材を使わない簡易的な建物でも、ガルバリウム製の波板屋根であればほかの素材に比べると快適に過ごしやすいでしょう。
ガルバリウム製の波板のデメリットは、ほかの素材よりも高価であるところです。
光を通さないのでベランダやテラスなどの屋根材に使用してしまうと、洗濯物が乾きにくくなります。
トタン製
トタンとは、建築材として使われる亜鉛メッキ鋼板の名称です。
ガルバリウムが普及するまで、金属製屋根材の主流でした。
衝撃に強く軽量というメリットがあります。また、トタンはほかの素材に比べると錆びやすいことがデメリットです。
トタンの耐用年数は5~7年とポリカーボネートよりも短くなっています。
塩化ビニル樹脂製
塩化ビニル樹脂は、ポリカーボネートが主流になる前は、波板屋根の素材の主流でした。
柔軟性があって価格も安く、扱いやすいのが最大のメリットです。
現在もホームセンターで販売されており、DIY素材として人気があります。
しかし、雨風や紫外線に弱いという大きなデメリットがあるため、現在はほとんど屋根材としては使われていません。
耐用年数は2~3年と短く、劣化すると白く濁ってパリパリと割れてくることもあります。
塩化ビニル樹脂製(ガラスネット入り)
塩化ビニル樹脂製(ガラスネット入り)の波板は、ネット状のガラスを素材の中に入れることで耐久性を高めた屋根材です。
耐用年数は塩化ビニル樹脂製より長くなってはいるものの4~5年と短く、ガラスネットが入っているため価格が高くなっています。
波板の種類については「波板の種類にはどのようなタイプがある?メリットやデメリットも詳しく解説!」でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
波板のサイズの種類と寸法
カーポートやベランダの屋根材として使う波板は主にポリカーボネートです。
ポリカーボネート波板には5種類のサイズがあり、寸法にも規格があります。
以下で、波板のサイズの種類と寸法をそれぞれ詳しく解説していきましょう。
ポリカーボネート波板のサイズの種類は5つ
ポリカーボネート波板のサイズの種類は、以下の5つです。
「鉄板」や「スレート」と記載されていますが、これは素材のことではなくサイズの名称となります。
・鉄板小波
・鉄板大波
・スレート小波
・スレート大波
・小波広幅
波板のそれぞれの種類の違いは、幅やピッチ(山の間隔)、谷の深さや山数、重ね代(波板を 2枚以上使用する際に重ねるべき山数)などです。
屋根材として一般的に使われる波板の種類は、「鉄板小波」となっています。
鉄板小波の規格サイズは以下のとおりです。
・幅655mm(動き幅575mm)
・ピッチ32mm
・谷深9mm
・山数20.5
鉄板小波以外の波板を使いたい場合は、施工業者と相談しましょう。
屋根の形状や施工箇所などによっては、鉄板小波以外の種類の使用が難しい場合があります。
波板の寸法の規格
波板の寸法の規格には、縦の長さが6~10尺までの5つのサイズがあります。6尺は1,820 mm、10尺は3,030mmです。
また、波板の横幅は「動き幅」といって、ポリカーボネートの場合はすべて576mmで同じサイズになっています。
3尺や5尺といった6尺未満の波板が欲しい場合は、6尺や10尺を半分に切って寸法を合わせるのが一般的です。
また、6尺の波板を面積の単位に換算した場合、ポリカーボネート製は約1.2平方メートル、ガルバリウム製は約1.5平方メートルと大きさに差が出ます。これは寸によるサイズが同じでもcmでの幅が異なるためです。
屋根や壁に波板を使用する際、オーダーメイドは可能ですが、大量発注が必要のため、一般家庭で使う場合は規格品を切ったり繋いだりして使うことをおすすめします。
波板のサイズについては「波板のサイズにはどのような種類がある?6〜10尺までの寸法と価格も紹介!」でもご紹介していますので、ぜひチェックしてみましょう。
波板1枚の価格はいくらなの?
波板の価格は、素材によって異なります。最も使われる素材である「6尺」の1枚当たりの価格は以下のとおりです。
・ポリカーボネート:1,500円~
・ガルバリウム:2,000円~
なおトタンや塩化ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂(ガラスネット入り)は、現在ではほとんど波板の屋根材として使われないので、価格は記載していません。
波板の留め具にもタイプが5つ
波板を屋根に設置する際、留め具が必要となりますが、下地に合わせて5つのタイプから選べます。
以下にて、波板を留めるために使う留め具のタイプを詳しく紹介していきます。
ビス
ビスは、ネジの部分にらせん状に溝が入った留め具です。
下地が木や金属の場合に留め具として使用します。
ビスには、木製下地用や金属製下地用といった種類があります。
傘釘
傘釘とは、傘に似た抑え材がついた釘のことです。
釘の頭に傘がついていることで、雨漏り予防に効果的です。
傘釘はステンレス製で、下地が木製の場合に用いる留め具です。
ポリカフック
ポリカフックは、ポリカーボネートで作られたフック状の留め具です。耐久性に優れているのが特徴です。
下地がアルミ製の場合に使います。
下地の幅に合わせて設置できるように、複数のサイズがあるのも特徴です。
フックボルト
フックボルトは、金属製のフック状になったボルトです。
下地がL状のアングルの場合に利用します。
パイプボルト
パイプボルトは、釣り針のような形をした留め具です。
下地にパイプが使用されている場合に利用します。
波板屋根の修理や交換が必要なとき
波板屋根は定期的なメンテナンスが必要なため、以下にて修理や交換が必要になった際に現れる症状や状態を解説します。
波板の修理を依頼する際の目安にしてください。
穴やひびなどの破損
波板は経年劣化や飛来物による衝撃によって、穴があいたりひびが入ったりすることがあります。
また、腐食が起きて穴があくこともあります。
穴やひびなどの破損は雨漏りの原因となるため、交換が必要です。
小さい穴やひびは補修テープやコーキングでも修理はできます。
しかし、どうしても耐久性は低くなるので早めの交換がおすすめです。
変形
ポリカーボネート製の波板は高温に弱いため、屋根の下でバーベキューや花火などをすると変形することがあります。
波板が変形してしまうと、隙間から雨漏りする可能性があります。
変形が小さくても波板の劣化が早まってしまうので、迅速に交換するようにしましょう。
耐用年数の限界
波板の耐用年数が近づいてきたら、破損する前に交換することをおすすめします。
弊社で扱っているポリカーボネート製の波板の耐用年数は、約10年です。
また、ガルバリウム製の波板は20年程度で塗装のメンテナンスをしたほうがよいでしょう。
耐用年数が近くなると、波板は脆くなりちょっとした衝撃で破損したり穴があいたりしてしまうのです。
たとえば、耐用年数の近い時期に台風が来てしまうと、破損する可能性が高くなります。
耐用年数まで数年となったら、波板の状態を確認して交換するか判断しましょう。
ただし、耐用年数はあくまでも目安です。
波板の状態や破損状況によっては、耐用年数が短くなることもあります。
穴やひび、変形などを見つけたら、できるだけ早く交換しましょう。
波板を早めにメンテナンスすることで、下地や柱なども長持ちします。
波板屋根の交換方法をわかりやすく解説
波板屋根の交換方法について、わかりやすく解説していきます。
一般的に、波板屋根の施工は専門業者に依頼が必要です。
しかし、交換方法を知っておくことで、工期や工事内容などの目安も付けやすくなります。波板屋根の交換を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
なお、以下の動画でも波板の交換手順をわかりやすく説明しています。
留め具を外す
波板屋根の交換は、留め具を外すところからスタートです。
波板を留めている留め具を外すためには、電動ドライバーやプラスドライバーなどを使います。
留め具に合った道具を使って外さなければいけません。そのため、波板屋根を交換する際は、留め具の種類も把握しておくことが大切です。
波板を取り除く
留め具がすべて外れたら、古い波板を取り除きます。
古い波板の破片が下地の溝の中に残らないよう、チェックして取り除いておくようにします。
下地や溝を掃除する
波板の下地や溝の中には、土ぼこりや枯れ葉などのゴミがたくさん溜まっていることが多いので、汚れもすべて取り除かなければいけません。
新しい波板を設置してしまうと、次の交換時期まで掃除ができなくなるので、汚れはしっかりと取り除きます。
また、屋根周囲の環境によってゴミの量は変わります。
ほとんどゴミがないこともあれば、多量のゴミが出ることもあるでしょう。
どれほどゴミが溜まっているかは波板を外さなければわかりません。ゴミを片付ける準備もきちんとしておきましょう。
波板をサイズに合わせてカットする
波板はもともとの規格サイズがあるので、必要であれば屋根に合わせてカットします。
ポリカーボネート製は柔らかいため、刃が波板の形状になっている専用のはさみやカッターで切断することが可能です。
専用の道具を使えばカットしやすいので、下地に合わせながら切っていきましょう。
ガルバリウム製の場合は、はさみやカッターでは切断できないため、電動ノコギリが必要になります。
ホームセンターでは、サービスとして購入した波板をカットしてくれるところもあります。
最寄りの店舗で対応しているかどうか問い合わせてみるのもおすすめです。
新しい波板を設置する
下地に合わせて波板が切断できたら、実際に張っていきます。
前提として、波板を設置する際は、下地に合った留め具を使用する必要があることを覚えておきましょう。
波板を張る手順は下記のとおりです。
・位置を決める
・留め具の位置に穴をあける
・留め具で固定する
位置を決める際は、軒先が必要になります。
雪が降らない地域は10cm以下、雪が降る地域や風が強い地域は5cm以下が目安です。
複数枚の波板を重ねる場合は、2.5山以上を目安にしましょう。
位置が決まったら、留め具をつけるところに穴をあけます。
穴は山になっているところにあけないと、雨漏りの原因となりかねないため注意が必要です。
強風にも耐えられるように、5山ごとの間隔を目安に開けていきます。
留め具より1〜2mmほど大きな穴をあけるのがコツです。
あとは留め具でしっかり固定して完成です。
留め具が動かなくなるまで固定しましょう。
留め具が目立たないよう、下地の色と留め具の色を合わせるのがおすすめです。
波板を自分で屋根に張る際の注意点
波板はDIYで屋根に張ることも可能ですが、注意点も押さえておきましょう。
高所での作業になるので、落下によるケガのリスクが伴います。
最悪の場合は屋根からの落下で亡くなる人もいるほど危険な作業です。
自分がケガを負うだけでなく、作業中に物を落として下にいる人にケガを負わせたりモノを壊したりしてしまう恐れもあります。
自分が気をつけることに加え、周囲の人が近寄らないような対策も欠かせません。
波板を正しく張りつけることも重要です。
軒先の出幅や重ね代、重ね幅など、波板を張る際には適切な判断が求められます。
正しく張れないと強風によって飛んでしまったり、雨漏りが発生したりする可能性が高くなります。
このようなリスクがあるため、DIYで並板を張るのはおすすめできません。
少し費用はかかりますが、安心かつ確実な施工を行ってくれる、信頼感のある専門業者に依頼しましょう。
波板屋根の設置や交換は専門業者に依頼するのがおすすめ
波板の設置や交換は、専門業者に依頼するのがおすすめです。
専門業者は豊富な知識と経験があり確かな技術も持っているため、正しく安全に波板を設置できます。
波板を誤った方法で設置してしまうと、将来的なトラブルの原因となりかねません。
専門業者に作業を依頼することで、適切な材料を選定してもらえるだけでなく、目的に合わせた最善の方法で施工できます。
そもそも波板が合わない場合でも、他の適切な選択肢を提示してもらえます。
メンテナンスのアドバイスももらえますし、万が一何か不具合があったときに、すぐ点検や修理をしてもらえることもメリットです。
安心して長期間利用するためにも、プロに依頼することを検討しましょう。
波板屋根の修理を業者に依頼した際にかかる費用
波板屋根の修理や交換を業者に依頼した場合、平均して5~20万円の費用がかかります。
屋根の大きさや使用する屋根材、交換方法などによって値段が変わります。
正確な費用は、業者に現地調査を依頼して見積もりを出してもらいましょう。
また、2階以上に設置されている波板屋根を修理する際には、足場の設置が必要です。
足場の設置費用は、ベランダ屋根の場合で10万円程度となります。
波板屋根の価格は「波板屋根の工事事例と価格」で具体的な事例とともにご紹介しています。
波板屋根の修理を検討している方はぜひご覧ください。
波板屋根の修理を業者に依頼した際にかかる日数
波板の修理にかかる日数は、おおむね1日程度です。
ただし、波板のサイズや設置環境によって前後します。
足場の設置が不要だったり波板のサイズが小さかったりすると、半日で終わるケースもあります。
反対に、大きなサイズの波板交換の場合は2日かかることも少なくありません。
実際の日数は見積もりを出してもらう際に教えてもらえるので、契約前に確認しておきましょう。
波板屋根の施工を依頼する際の業者の選び方
波板屋根の設置や修繕、交換をしてくれる業者の中から、安心して依頼できる会社を選ぶためのポイントは6つあります。
・見積もりを比較する
・見積書の内容が丁寧に記載されている
・相談時に親身になって対応してくれる
・地域の専門業者に依頼する
・建設業許可や国家資格を保有しているか確認する
・リフォームパートナー協議会に加盟をしているかを確認する
悪徳業者に施工を依頼すると、工事の失敗だけでなく、無駄な費用がかかる場合があります。
以下にて優良な業者を見分けるポイントを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
見積もりを比較する
施工を依頼したい業者が絞れたら「相見積もり」をしましょう。
相見積もりとは、複数の業者に見積もりを作成してもらい、内容を比較して施工業者を選ぶことです。
見積もりを比較することで、それぞれの業者の特徴や工事内容、価格などがわかります。
価格が極端に高い業者はもちろんのこと、ほかと比べて安すぎる場合も、はっきりとした説明がなければ依頼は避けたほうが無難です。
高すぎる場合は詐欺の可能性が、安すぎると手抜き工事の危険性があるからです。
ただし、信頼できると確信が持てるような業者に運良く出会えた場合は、相見積もりをしても依頼先が変わらないことがあります。
信頼性が十分にあると感じたのなら、他社に見積もりを依頼する手間を考えると相見積もりをしなくても大丈夫です。
見積書の内容が丁寧に記載されている
優良な業者は見積書が丁寧で、わかりやすく作られています。
たとえば、材料費でもどの資材にいくら、と内訳が書かれており、素人でも理解しやすいです。
単に、「工事費」「材料費」とまとめて記載している業者には、きちんとした詳細の説明を求めることをおすすめします。
はっきりと説明ができない業者には、工事を依頼しないようにしましょう。
悪徳業者の場合は、費用の内訳を開示せず、工事費を水増ししている可能性もあります。
相談時に親身になって対応してくれる
工事の相談の段階から親身になって話を聞いてくれる業者は、信頼できます。
反対に、とにかく契約を急かす業者には注意が必要です。
一度契約を結んでしまうと解約が難しいので、わからないことは納得いくまで説明を求めましょう。
相談や質問に真摯に対応してくれる業者は、営業担当だけでなく職人のレベルも高いと考えられます。
地域の専門業者に依頼する
波板屋根の施工は、地域密着型の業者に依頼すると、地域の気候に適した素材の波板を選んでくれるため安心です。
波板屋根の施工は板金業者が行うことが多いです。
全国展開している大手業者もありますが、地域の専門業者だと工事がスムーズに進んだり、相談もしやすかったりします。
また、地域密着型の業者の方が融通も利きやすいものです。
最近は、ネットで地域密着型の業者も探しやすくなりました。
業者選びに迷っている方は、まずはネットを使ってお近くの板金業者を探してみましょう。
なお、瓦業者や塗装業者、工務店などは波板工事が専門外ですので工事の品質が低いです。依頼しないようにご注意ください。
建設業許可や国家資格を保有しているか確認する
建設業許可や国家資格を保有しているかもチェックしておきましょう。
一般的に、波板の設置や交換には建設業許可や特別な資格がなくても、仕事を受注すること自体はできます。
とはいえ、誰でも波板の設置や交換ができるわけではありません。
専門的な知識が必須な作業なので、安全な施工と品質の確保のためには、建設業許可や資格を持つ業者に依頼するのがおすすめです。
建設業許可や資格を持っていることは、しっかりと知識が備わっていることを証明します。
知識や経験があるからこそ、波板を設置しながら屋根や外壁の不具合に気づき、メンテナンスを提案してくれるかもしれません。
業者の公式サイトの「会社概要」には許可や資格について記載されていることが多いので、確認してみてください。
リフォームパートナー協議会に加盟をしているかを確認する
リフォームパートナー協議会(RECACO)とは、消費者が安心してリフォームを頼めるような環境の整備を目的とした社団法人です。
加盟するには審査を通過しなければならず、講習の受講も必須となっています。
そのため加盟している業者は、一定水準以上の技術力やサービス品質を持っていると言えます。
万が一トラブルが発生したときには、協議会が仲介・対応してくれる体制が整っているのも安心です。
リフォームパートナー協議会の公式サイトから、加盟している業者を検索できます。
会社名を入力して検索もできるので、目星をつけている業者があるなら、一度チェックしてみましょう。
波板屋根を長持ちさせるメンテナンス方法
波板屋根を長持ちさせるためには、以下で紹介するメンテナンス方法を行ってみてください。
ポリカーボネート製の波板は10年で交換、ガルバリウム製は20年くらいで塗装をすることをおすすめします。
しかし、メンテナンスをしなければ耐久性が低下して、寿命が短くなってしまうでしょう。
波板屋根を長持ちさせるメンテナンスの方法を紹介していきます。
掃除する
波板屋根にはコケやカビが生えることがあり、放置しておくと劣化の原因となるため定期的な掃除が必要です。
波板屋根の掃除方法は、水をかけてブラシでこすればコケやカビは取れます。
高圧洗浄機を使用してもいいですが、圧が高すぎると波板が破損する可能性があるので、低圧力で行うか、ホースでの掃除がおすすめです。
高所での作業になるので安全には十分に配慮して、転倒や落下事故が起こらないように注意してください。
留め具をチェックする
波板の留め具は、経年と共にゆるんだり外れたりすることがあるため定期的に状態をチェックしましょう。
留め具がゆるんだり外れたりすると、屋根板がずれて雨漏りが起こる恐れがあります。
特に、大雨や台風の後は留め具がゆるんだり外れたりしやすくなります。
定期的に点検して、留め具を締め直したり交換したりしましょう。
ただし、留め具を直す際は波板を破損させないように気をつけてください。
波板に関するよくある質問
波板に関するよくある質問を紹介します。
・波板とポリカの違いは?
・波板の一般的なサイズは?
・波板ははさみで切れる?
・波板の耐用年数は?
・波板に留め具をつける間隔は?
・波板から雨漏りする原因は?
・波板から雨漏りする際の対処法は?
1つずつ回答していくので、波板の設置・交換前に確認しておきましょう。
波板とポリカの違いは?
波板とポリカの違いは、形状のことを指しているか、素材のことを指しているか、という2つが挙げられます。
波板は形状のことで、ポリカは素材のことです。
形状は大きく2種類あり、ウェーブ状に波打っている屋根材を波板、平たい屋根材を平板と呼びます。
素材にはさまざまな種類があり、樹脂を原料としたプラスチックの板がポリカーボネートです。
ポリカーボネートは波板で使われる機会が多い建材となっており、屋根材としてよく使われています。
耐久性が高く、衝撃や気候の変化に強いのが特徴です。
透明性があり太陽光を取り入れられるため、暗くなるのを避けたい場合にも選ばれています。
波板の一般的なサイズは?
波板の一般的なサイズは、6~10尺までの5種類あります。
それぞれの幅と長さは以下のとおりです。
・6尺:幅655mm、長さ1,820mm
・7尺:幅655mm、長さ2,120mm
・8尺:幅655mm、長さ2,420mm
・9尺:幅655mm、長さ2,730mm
・10尺:幅655mm、長さ3,030mm
幅に関しては素材によって変わります。
5尺以下のサイズの既製品は売られていません。
3尺や4尺で使いたい場合は、6〜10尺を分割して使います。
波板ははさみで切れる?
ポリカーボネート製の波板なら、はさみでも切れます。
斜めに切ると耐久性が落ちるため、真っすぐ切ることが大切です。
きれいに切るために、はさみの根元に力を入れましょう。
波板専用のはさみを使うのもおすすめです。
波板を切る際は、切り口や飛び散った破片でケガをしないよう注意しましょう。
波板の耐用年数は?
ポリカーボネート製は10年、ガルバリウム製は15〜20年が耐用年数の目安です。
耐用年数が近づくと、ちょっとした衝撃で破損してしまう恐れがあるため交換が必要になります。
ただし耐用年数は目安なので、必ずその年数の間は使えるというわけではありません。
環境によっては、耐用年数を待たずに交換した方がよいケースもあります。
定期的に点検してみて、穴やひび、変形などが見つかったら交換しましょう。
波板に留め具を取り付ける間隔は?
留め具は5山おきを目安に取り付けましょう。
5山よりも間隔があくと強風にあおられやすくなり、バタバタしたり飛散したりする恐れがあります。
留め具を取り付けるのは山側です。
谷側に留め具を取り付けると、雨漏りが発生しやすくなります。
波板から雨漏りする原因は?
波板から雨漏りする原因として多いのが隙間の発生です。
ひび割れや釘穴などの小さな隙間でも、雨水は浸入します。
複数枚の波板を使っている場合、つなぎ目に隙間があり雨漏りしてしまうことも考えられます。
またポリカーボネート製は熱に弱いため、屋根の下で火を使うことで変形してしまい、雨漏りにつながるケースも珍しくありません。
雨漏りが見つかったら、隙間がないか確認してみましょう。
波板から雨漏りする際の対処法は?
雨漏りが見つかったときは、波板を交換するのが基本的な対処法です。
コーキングで隙間を埋める方法もありますが、応急処置でしかありません。
隙間に詰め物をしてふさぐコーキングは、時間の経過とともに雨漏りが再発してしまいます。
雨漏りが発生したら波板を交換する必要があります。
応急処置のコーキングは波板の材質にあったコーキング剤を選ぶ必要があるため、自分で作業するのはおすすめしません。
交換するにせよコーキングを行うにせよ、まずは専門業者に相談しましょう。
波板屋根の施工は地域の専門業者への依頼が安心!
波板屋根の特徴や素材の種類、耐用年数や交換時期の目安、交換方法などを解説しました。
波板屋根はDIYで交換する方もいますが、やはり専門業者に依頼したほうが仕事は丁寧で耐久性も高まります。
波板屋根の補修や交換を考えている方は、まず地域の専門業者を探して、見積もり作成を依頼しましょう。
「波板屋根って?ポリカーボネートって?」では、波板に適した素材をご紹介しています。
耐久性に優れた素材が欲しい場合はぜひご確認ください。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。