波板コラム

カーポートにはアクリル板とポリカーボネートどちらの屋根がいい?

カーポート波板施工4
「カーポートの屋根にアクリル素材は適している?」
「アクリル板から交換できる屋根材を知りたい」

利用しているカーポートの屋根がアクリル板の場合、このような疑問をもつ方もいるでしょう。
カーポートの屋根は、紫外線や強風などに晒される過酷な状況下にあります。
したがって、耐衝撃性や耐久性が優れているポリカーボネートが、現在主流の素材です。

今回は、アクリル板とポリカーボネートを比較して、素材の性質を解説します。
具体的には、以下の4つを解説します。

・アクリルの特徴
・アクリルの劣化症状
・ポリカーボネートへの交換可否
・ポリカーボネートの特徴

この記事を読んで2つの素材の違いを把握できれば、カーポートに適切な屋根材はどちらなのか理解できるでしょう。

 

カーポートの屋根に使われるアクリル板の特徴

ポイント

アクリルは透明度が非常に高く、見た目が美しいのが特徴です。
加工が非常にしやすいメリットもあります。

カーポートの屋根以外にも、水族館の水槽や看板にもよく使われています。
以前までは、カーポート屋根の主流素材のひとつでした。

しかし、現在ではポリカーボネートと比較して耐衝撃性や費用面で明確に勝る部分が少ないため、あまり採用されていません。

 

現在主流の素材はポリカーボネート

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アクリルよりも耐衝撃性が高いポリカーボネートが、現在カーポートの屋根材の主流です。
アクリルはポリカーボネートと比較すると強度が低いため、強風時に割れてしまうことことが多いです。

一方ポリカーボネートは柔軟性や耐衝撃性が高く、強風にあおられたり、飛来物がぶつかったりしても壊れにくいメリットがあります。
ポリカーボネートは耐久性も十分に高く、一般的に10年程度の耐用年数が期待できます。

そのため、アクリル板を取り扱う業者が減っているのが現状です。

 

カーポートの屋根に使用するアクリルとポリカーボネートの比較

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アクリルとポリカーボネートの特性を、以下の4つの項目に分けて比較します。

・耐衝撃性
・耐久性
・光の透過性
・価格

それぞれの比較内容を解説します。
違いを知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

耐衝撃性

耐衝撃性はポリカーボネートが勝っています。
表面に弾力性が備わっているため、加工時や飛来物がぶつかった際でも割れにくいのが特徴です。

ポリカーボネートは透明な樹脂の中ではとくに衝撃に強い素材です。
ただし、ポリカーボネートは小傷がつきやすいため、洗浄の際には強く擦らないように注意する必要があります。

対するアクリル板は、衝撃に弱く台風や積雪などの影響で破損する可能性が高い素材です。
雪が降る地域や強風が発生しやすい地域には、とくにポリカーボネートが向いているでしょう。

 

耐久性

アクリルの耐久性は10〜15年程度です
ただし、物理的な負荷に弱いアクリル板は、衝撃や無理な力が加わると破損しやすい素材です。
そのため、耐用年数を満たさずに交換が必要になる可能性が高くなってしまいます。

一方ポリカーボネートはの耐用年数は10年程度のため、衝撃による破損がない場合の耐久性はアクリルと同等程度になります。

 

光の透過率

光を通す透過率はアクリルの方が優れています。
しかし、無色透明なもの同士を比較しても、目視では差を感じられない程度の差です
透過率に関しては、アクリルとポリカーボネートは同程度と考えて問題ありません。

 

価格

アクリルとポリカーボネートの材料費は同程度になります。
注意点としては、需要が高いポリカーボネートの影響でアクリル板へ交換する業者が減っていることです。

多くの業者がポリカーボネートへの交換をおすすめするでしょう。
また、交換時の費用は同程度でも、耐衝撃性の高いポリカーボネートの方が破損のリスクが少なく、維持費用を抑えやすくなります。

 

アクリル板のカーポート屋根をポリカーボネートに交換できる?

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アクリル板からポリカーボネートに交換することは可能です。
工事の際は、修理したい部分だけでなく、屋根全体をポリカーボネートに交換するのをおすすめします。

なぜなら、経年劣化が原因で屋根材が破損した場合は、部分修理をしてもすぐに他の箇所が壊れてしまう可能性が大きいためです。
屋根は均等に紫外線を受け劣化するため、1箇所がもろくなっている場合は全体的に交換した方がいいでしょう。

施工回数が増えると費用もかかるため、屋根材を交換する際はすべて撤去して新しくしてしまうことをおすすめします。

 

カーポートのアクリル板屋根の劣化状況

ポイント

カーポートのアクリル板屋根に起きやすい劣化は以下の3つです。

・傷がつく
・色が黄ばむ
・ひび割れする

それぞれの劣化状況を解説します。

 

傷がつく

アクリルは傷がつきやすい素材です。
ブラシでの洗浄や、砂や石などの飛来物によって傷がつくことがあります。

傷はひび割れを引き起こす要因のひとつです。
放置しておくと、アクリル板が破損して車体に落下する恐れがあります。
日頃から傷が増えていないか、定期的にチェックしておくといいでしょう。

 

色が黄ばむ

アクリルは、紫外線によって色が少しずつ黄ばんでいってしまいます。
黄ばみが発生している時点で、ある程度劣化が進行していると考えられます。

アクリルの屋根材を設置した時期から10〜15年程度経過している場合は、新しい屋根材への交換をご検討ください。

 

ヒビがはいる・割れる

経年劣化が進行すると、積雪や台風などの物理的な負荷に弱くなってしまいます。
そのため、割れたりヒビがはいったりする可能性が高くなるのです。

割れやヒビが発生すると、破片によって車体や人体が傷つく危険性があります。
また破片は飛散する可能性があるため、敷地内だけではなく近隣への被害に発展するリスクもあるでしょう。

アクリル板に劣化が見られたら、早急に交換をしましょう。

 

カーポートに向いているポリカーボネート屋根の色とは?

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ポリカーボネート屋根には以下の3色があります。

・無色透明なタイプ
・色のついたタイプ
・熱線カットタイプ

それぞれの色の効果を解説します。

 

無色透明のタイプ

無色透明のタイプは、光を屋根下に無駄なく取り込めます。
カーポートの近くに住宅の窓がある場合は、室内に差し込む光を遮らない無色透明のものが有力な選択肢のひとつになるでしょう。

また無色透明タイプなら、限られた駐車スペースであっても開放感が得られます。
汚れが目立ちやすいデメリットがありますが、屋根下の明るさを重視する人におすすめです。

 

色のついたタイプ

色のついたタイプは屋根の下が少し暗くなります。
色の濃さによって日差しを軽減できるため、夏の暑さをやわらげることが可能です。

鳥のふんや土埃などの汚れが目立ちにくいメリットもあります。
また、駐車場の目隠しとして設置することも可能です。

 

熱線カットタイプ

ポリカーボネートには、「熱線カット」と呼ばれるタイプの素材があります。
太陽の熱線を効率よくカットして、カーポート下の温度上昇を抑制する効果があります。
そのため、夏場に駐車してある車内の温度上昇をやわらげてくれるでしょう。

外観に関しては、一般タイプと変わらないぐらいの透明度のものを選ぶことも可能です。
完全に無色透明なものはありませんが、屋根下の暑さ防止と明るさを両立することが可能な機能性の高い製品です。

 

アクリル板のカーポート屋根の交換はポリカーボネートがおすすめ!

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耐衝撃性や耐久性に優れたポリカーボネートがカーポートの屋根におすすめです。

以前まで、カーポートの屋根にはアクリル板がよく使われていました。
樹脂素材の中でも透過率がとても高く、外観が美しいのがアクリル板のメリットです。
しかし、衝撃に弱いのが原因で、現在ではカーポートにはほとんど新規に設置されることはありません。

一方ポリカーボネートは、耐衝撃性が高く、耐久性も十分にあるため、安心して10年程度使い続けることが可能です。
また、カラーバリエーションが豊富でありながら、カーポート下の温度上昇を防止する熱線カットタイプもあります。

アクリル板のカーポート屋根を交換する際は、ポリカーボネート素材を選ぶことをおすすめします。

ポリカーボネート製の波板の特徴とは?施工費用やサイズなどを解説では、波板に適した素材であるポリカーボネートをご紹介しています。
耐久性に優れた素材が欲しい場合はぜひご確認ください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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