波板コラム

波板とトタン板の違いは?素材の種類と特徴から購入するときのポイントまで

波板(ポリカ)1

「波板とトタンの違いがわからず材料選びに困っている」
「波板を使った屋根が老朽化してきているため張り替えたい」

重い腰をあげて修理やDIYをするなら、材料選びで失敗したくないですよね。
そんな方のために、波板とトタン板の違い、波板の素材の特徴、購入時のポイントを解説します。
この記事を参考に適切な材料を選べば、納得のいく工事ができるようになるでしょう。

波板とトタン板は同じもの?

トタン波板1

波板とトタン板は同じものではありません。

波板は波状の板のことで、形状の名前です。
波板は波状に加工されていることにより、縦方向から加わる力に強くなっています。

波板にはなめらかな波状だけでなく、角張った「角波板」もあります。
凹凸をイメージするとわかりやすいでしょう。
折り曲げた形状により通常の波板よりも横から加わる力に強いです。
そのため、破損しにくくなっています。

トタン板は亜鉛メッキが施された鉄の板のことで、素材の名前です。
加工していない平らな板のほか、波板も存在しており、幅広い用途に使えます。

波板の定番がトタン素材だったため、波板とトタン板は混同しやすいです。
業者や、資材を販売しているスタッフに、求めている材料が何なのか正しく伝わるようにしましょう。

波板の種類と特徴

波板(ポリカ)2

波板には種類があります。
それぞれの特徴を参考にして、用途や目的に合わせて使い分けましょう。

トタン

トタン波板2

トタンは薄い鉄で作られたものです。
亜鉛でメッキされており、耐性に優れています。

屋根材や囲いとして幅広く利用される定番の素材です。
白や青、茶色などのカラートタンも販売されています。

寿命は5〜7年ほどです。
お手入れや設置する場所により早くに寿命が来てしまう場合もあります。
特に潮風の当たる場所だと錆びやすいため、トタンは適さないでしょう。

ガルバリウム

ガルバ波板1

ガルバリウムは防錆性のメッキを施したものです。
耐食性、耐熱性に優れておりトタンより3〜6倍ほど長持ちします。
寿命は15〜20年ほどです。

ポリカーボネート

波板(ポリカ)3

ポリカーボネートは合成樹脂の一種です。プラスチックにも使います。
透明性、耐衝撃性、耐紫外線に優れているのが特徴です。
寿命は10年ほどが一般的です。

塩化ビニル樹脂

塩化ビニル樹脂は合成樹脂の一種です。
安価なためお財布にも優しい素材と言えます。

個人で加工がしやすいためDIY向きです。
ただ、耐久性が低く劣化しやすいため、屋根や囲いなどの利用には適していません。
寿命は2〜3年ほどです。

塩化ビニル樹脂(ガラスネット入り)

ネット状のガラス繊維を挟んで作ったもので、準難燃性の認定を受けています。
ガラスネットなしの塩化ビニル樹脂よりも強度が増しており、劣化速度も軽減されているのが特徴です。
とはいえ、同じ透明性のあるポリカーボネートよりは耐久性が劣ります。
寿命は4〜5年ほどです。

波板の扱いかた

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DIYによる修理で波板を扱う場合、素材を切ったり張ったりする作業があります。
自分で施工したい方のために波板を「切る」「張る」「曲げる」それぞれの工程について解説します。

切りかた

素材によっては販売店舗でカットをお願いする必要があります。
個人で切断作業が可能なのは、塩化ビニル樹脂製(ガラスネットあり、なし)やポリカーボネート製です。

塩化ビニル樹脂製でガラスネットなしの波板は、大きなはさみでも切れます。
波板専用のハサミを購入するときれいに切れるでしょう。

ガラスネット入りの塩化ビニル樹脂製と、ポリカーボネート製の波板は、カッターで切断可能です。

ガルバリウムやトタンの波板は、耐久性が高いため販売店や業者へのカット依頼をおすすめします。

プロに頼めば、普段使わない工具を購入する必要もなく、仕上がりもきれいです。
そのため、無理に個人で切断しようとするよりもプロにお願いしましょう。

張りかた

DIYで作業する場合の波板の張りかたを紹介します。
波板を張る際は電動ドリルと油性ペン、金槌、傘釘を用意します。
波板を張る手順は以下のとおりです。

1.張る位置を決めて波板を仮配置する
2.穴をあける箇所を決めて油性ペンで書く
3.穴をあける
4.カナヅチで釘をさして波板を仮止めする
5.調整して本止めしたら完成

個人で扱うのが難しいガルバリウムやトタン素材を使用したい場合は業者へ依頼しましょう。

曲げかた

波板は横方向へ簡単に曲げられます。
トタンであれば力を入れて慎重に、ポリカーボネートは熱を加えながら曲げます。無理に曲げると割れてしまうため気をつけましょう。

しかし、縦方向へ曲げることは大変難しいです。
波板では、波と交差するように曲げることは考慮されていません。
割らずに縦方向に曲げるのはDIYだと難しいでしょう。

波板を購入するときに気をつけるポイント

波板(ポリカ)4

波板を使って修理やDIYを行いたいとなると、ホームセンターや建材店などで材料を購入する必要があります。
波板を購入するときには以下の3つの点に気をつけましょう。

・1尺ごとの長さで売っている
・メーカーごとに形状が異なる
・運搬や保管のときの状態で伸び縮みする

それぞれ詳しくご紹介します。

1尺ごとの長さで売っている

1尺とは約30.3cmの長さのことです。
重ねる部分も考慮して余裕のある長さを購入すると失敗しにくいでしょう。

メーカーごとに形状が異なる

波板の波の部分はメーカーにより形状が異なります。
既存の波板に重ねたい場合は同じメーカーのものを購入しましょう。

メーカーによっては波板にブランドマークがあります。
そのため波板についているマークを参考にして同じメーカーの製品を探しましょう。

運搬や保管のときの状態で伸び縮みする

同じメーカーの波板を重ねようとしても合わない場合があります。
なぜなら、運搬や保管のときの状態で波板が伸縮してしまうからです。

重ねたい波板を持ち込める場合は、実際に既存の屋根に合わせて確認すると心配せずに済みます。
持ち込みが難しい場合、既存の屋根の波板をすべて交換することも検討してみましょう。

波板の扱いは専門業者に依頼してコストパフォーマンスに優れた工事にしよう

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波板は個人でも扱える種類があるため、DIYで修理をしてしまうのが得策に感じられます。
しかし、個人で扱えるものは耐久性が低く寿命が短いです。
そのため、何度も自分で張り替えることになり費用がかかるでしょう。

波板を利用した屋根や囲いなどの修理・設置は専門の業者に依頼しましょう。
耐久性があり寿命の長い素材で業者に依頼できるため、長期的なコストパフォーマンスが良くなります。

波板素材としてよく利用される「ポリカーボネート」の詳細を知りたい方は「波板屋根って?ポリカーボネートって?」もご覧ください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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