波板コラム
波板の切り方とは?切断方法や切る際の注意点を解説!
波板は、扱いやすいためDIYでも人気の素材です。
しかし、波板の切り方には注意も必要です。
せっかく波板を購入してきても、切り方を間違えば無駄になってしまいます。
そこで、今回は波板を切るのに必要な道具や切り方、切断する際の注意点などを解説します。
波板を使ってDIYを行う予定がある方は、ぜひこの記事を読んで切り方を確認してみてください。
Contents
切り方に関係する波板の素材の種類
波板を切る際に確認しておきたい、素材の種類について紹介します。
現在、多くの屋根で使用されている波板の素材は、「ポリカーボネート」と「ガルバリウム」の2種類です。
以下では、それぞれの種類の特徴を解説していきます。
ポリカーボネート
ポリカーボネートは、ポリカーボネート樹脂でできているプラスチック素材です。
透過性が高い素材なので、日光を多く取り入れて屋根の下が明るくなるという特徴があります。
耐用年数はおよそ10年で、1枚あたりの波板の価格は6尺の場合1,500~3,500円程度です。
ポリカーボネートの強みは、以下の5点です。
・軽量
・高耐久性
・高耐衝撃性
・高耐候性
・安価
ポリカーボネート製の波板は耐衝撃性にも優れており、硬質塩化ビニル材の約20倍もあります。
また、熱伝導率が低めなので暑さによる変形もしにくいです。
ポリカーボネートは、これまで波板の素材として使用されていた「アクリル」や「硬質塩化ビニル」よりも総合的に優れています。
そのため、現在は多くの波板屋根に使用されています。
ガルバリウム
ガルバリウムとは、銅に以下の素材を混ぜ合わせてめっきをした素材です。
・亜鉛
・アルミ
・シリコン
耐用年数はポリカーボネートよりも長く、15~20年となります。
ガルバリウム製の波板の1枚あたりの購入価格は、6尺の場合2,000〜4,000円程度です。
ガルバリウムの強みは、以下の3つです。
・サビに強い
・高耐久性
・熱反射率が高い
ガルバリウムはほかの金属素材に比べてサビにくいです。
しかし、絶対にサビないという訳ではないため、定期的な点検は必要となります。
ガルバリウムは、従来よく使われていた「トタン」に代わる耐久性の高い素材として非常に人気があります。
波板は、素材によって切る際に必要な道具が異なるため、以下にて詳しく解説していきましょう。
波板の切り方
波板には、カッターやはさみで簡単に切れるタイプと、電動ノコギリを用いる必要がある素材があります。
波板はポリカーボネートやガルバリウムなどの素材でできています。
ポリカーボネート製は、はさみやカッターで切れます。
ガルバリウム製は、金属なので電動ノコギリを使ってカットしましょう。
素材の強度によって、切るための道具を使い分けてください。
また、ホームセンターによっては、波板をカットしてくれるサービスを行っている店舗もあります。
ガルバリウム製の波板を切りたい場合は、カットサービスを利用するのも1つの方法です。
波板のサイズ
波板には、以下のような規格サイズがあります。
・6尺:幅655mm、長さ1,820mm
・7尺:幅655mm、長さ2,120mm
・8尺:幅655mm、長さ2,420mm
・9尺:幅655mm、長さ2,730mm
・10尺:幅655mm、長さ3,030mm
幅は変わりませんが、長さが異なります。
必要なサイズに合わせて、カットしたり重ねたりしてください。
また、同じ6寸でも素材によってサイズや価格が異なります。
ポリカーボネート製よりも、耐久性の高いガルバリウム製の方が値段が高いです。
波板の素材は、それぞれの特徴や価格をチェックして選ぶようにしましょう。
切断した波板の取り付け方
カットした波板は、以下の3ステップで取り付けていきます。
・切断した波板を下地に並べる
・留め具を設置する箇所に穴をあける
・留め具で固定する
以下にて、それぞれの作業方法を説明していきましょう。
切断した波板を下地に並べる
まずは、切断した波板を下地の上に並べます。
並べ終わったら、切断した波板が下地に合ったサイズになっていることを確認しましょう。
2枚以上の波板を使う場合には、重なる部分が2.5山以上になるように設置してください。
重ねる山が少なすぎると、風や雨で波板が壊れやすくなってしまいます。
また、2枚以上の波板を縦に重ねて設置する際は、雨水が流れていく方の部材が下になるように重ねましょう。
重ね方が逆になってしまうと雨漏りが発生しやすくなるので、間違えないようにしましょう。
留め具を取り付ける箇所に穴をあける
続いて、留め具を取り付ける箇所に電動ドライバーやキリなどで穴をあけていきます。
留め具を設置する穴は、波板の5山間隔で山側にあけます。
穴をあける前にマジックや鉛筆などで印をつけておくと、失敗しにくくなるためおすすめです。
また、強風が吹きやすい地域の場合には、波板の強度を高めるために5山よりも間隔を狭めて留め具を設置します。
ご自宅の周りの環境に応じて、波板の穴の間隔は調整してください。
留め具で固定する
最後に、留め具を波板屋根に固定します。
留め具は波板の「谷側」ではなく、必ず「山側」に設置してください。
雨水が流れ込む谷側に取り付けてしまうと、雨漏りの原因となってしまうことがあります。
以上で、波板の取り付け作業は完了です。
波板を切断する際の注意点
波板を切断する際、どのような注意点があるのか紹介していきましょう。
以下にて、注意点を2つ解説していきます。
一直線になるように切る
波板は、見た目を整えるためと、施工不良を防ぐためにまっすぐに切りましょう。
波板の端が歪んでしまうと、見た目が悪くなるだけでなく、重ねて使用する場合、うまく合わせられません。
歪ませてカットしてしまうと、隙間ができて雨漏りが起きる可能性もあります。
一直線になるように波板を切るためには、表面に線を引いたり、糸や紐に沿ってカットしたりする方法などがあります。
また、波板をしっかり抑えておかないと、ズレて歪むこともあります。
大きな波板ほど切るのが難しくなるため、2人以上で支えながらカットするのもおすすめです。
ケガに気をつける
波板はポリカーボネート製でも一定の硬度があるため、切る際はケガに気をつけましょう。
また、切った破片でケガをする可能性もあります。
特に、小さな破片が目に入ると危険です。
できれば眼鏡やゴーグルを着用して切ってください。
ガルバリウム製の波板を切る場合は、電動ノコギリを使用するため工具の扱い方にも注意しましょう。
大きな波板をラクに切断する切り方
大きな波板は切りにくいため、ラクに切断する方法を3つ紹介します。
・波板にあらかじめ溝をつくっておく
・ハサミは根元に力を入れて切る
・広い場所でカットする
順番に、それぞれの詳しい切断方法を解説していきましょう。
波板にカッターやキリで溝をつくっておく
大きな波板を切りやすくする方法の1つ目は、あらかじめカッターやキリで溝をつくっておくことです。
波板の表面に溝が入っていれば、実際にカットするときに刃を当てるだけでラクに切断ができます。
切れ目は、定規を使ってきちんと真っ直ぐになるように入れておきましょう。
ハサミは根元に力を入れて切る
波板をカットする際は、ハサミの根元に力を入れると切りやすくなります。
ハサミは構造上、刃の先の方で切ろうとするとより力を加えなければいけません。
そのため、小さな力で波板を切断するためには、ハサミの根元の方でカットするイメージで作業してみましょう。
また、ホームセンターには波板を切る専用のハサミも売っています。
波板専用バサミを使えばよりラクに作業ができるため、おすすめです。
広い場所でカットする
波板をラクに切断するための最後のコツは、広い場所で作業することです。
狭い場所で作業をしようとすると、どうしても無理な体勢を取ってしまうことになります。
無理な体勢で作業をすると、波板を切るのに力を加えすぎたり、うまくカットできなかったりするでしょう。
そのため、波板を置いても人が余裕で動けるくらいのスペースを確保すると、作業がとてもしやすくなります。
波板の切断はDIYでできるか?
波板の切断はDIYでも可能です。
ただし、幅広い面積を波板で覆いたい、屋根全体を葺き替えたいといった場合は、何枚も切断しなければなりません。
かなりの労力がかかりますし、施工不良が起こる場合もあります。
また、ガルバリウム製の波板を切る場合は、電動ノコギリに使い慣れておかなければなりません。
市販されている電動ノコギリは安全性は高いほうですが、使い慣れていないと一直線に切ることは難しいですし、ケガをする恐れもあります。
波板の切断だけでなく、取り付けも専門の業者に任せた方が安心なケースもあります。
特に、幅広い面積に波板を張りたい場合は、業者に依頼するのがおすすめです。
波板の切り方は意外と簡単!それでも不安な方は専門業者に依頼しよう
波板は軽くて薄いので、素人でもカッターやはさみがあれば簡単に切れます。
ただし、ガルバリウム製の波板は、電動ノコギリが必要です。
また、波板を一直線にきれいに切るにはコツがいるため、不安な方はカットサービスがあるホームセンターや、施工自体を専門の業者に依頼しましょう。
「波板屋根って?ポリカーボネートって?」では、波板に適した素材をご紹介しています。
耐久性に優れた素材が欲しい場合はぜひご確認ください。
内野 友和
この記事は私が書いています。
1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。
20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。