波板コラム

波板屋根の雨漏りの修理方法とは?施工の際の注意点も紹介!

波板屋根の破損

「波板屋根の雨漏りの修理方法が知りたい」
「波板屋根の雨漏りを修理する際の注意点が知りたい」
波板屋根から雨漏りしていたら、このように修理に関する情報を知りたいという方も多いでしょう。
また、DIYで修理できるのかも確認しておきたいところです。
そこで、本記事では以下の3つの情報を詳しく解説します。

・波板屋根の修理の手順
・修理にかかる費用相場
・施工上の注意点

波板屋根の交換修理は慣れない方にとっては難しいので、ぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。

 

波板屋根が雨漏りした場合の対応

波板修理画像10

波板屋根が雨漏りをした際の修理手順と施工内容を解説していきます。
波板屋根の交換手順は、主に5つの工程に分かれています。
それぞれの工程を以下で詳しく紹介していきましょう。

 

留め具を取り外す

まずは、既存の波板屋根の留め具を全て取り外します。
留め具はフックや釘で留まっていることが一般的です。
しかし、金属棒で留まっている場合もあるため、臨機応変に対応しましょう。

 

下地を整える

波板屋根を外したら下地を整えていきます。
溝に溜まったホコリや砂、葉っぱなどを掃除して綺麗にします。
掃除には高圧洗浄機を使うのも一つの手段です。
下地が木製の場合、雨風の影響で腐食していることがあるため、必要に応じて補修します。

 

新しい波板をカットする

既存の屋根のサイズに合わせて、新しい波板をカットします。
サイズに合わせてカットするために、あらかじめ波板にものさしで印をつけていきます。
そして、カッターやハサミ、電動ノコギリなどを使ってカットしてください。
また、波板には裏表があるので、表側に印をつけておくと施工ミスを防げます。

 

波板を下地に設置する

カットした波板を下地に設置していきます。
このとき、軒先部分が100mm以下になる位置に設置します。
理由は、風の吹き上げによる破損を防ぐためです。
強風が吹きやすい海沿いや台風が通過しやすい地域は、50mm以内に設置すると破損のリスクを抑えやすいです。

 

留め具で波板を固定する

波板を留め具で固定していきます。
波板の留め具の穴は必ず山側にあけて、5山おきに固定するのが一般的です。
5山を超えて留め具を固定すると、強風によって波板がバタバタと煽られて、破損する可能性があるからです。
穴をあける際は施工箇所を間違えないように、山に印をつけておくことをおすすめします。
また、強風が吹きやすかったり台風が通過しやすかったりする地域は、5山よりも狭い間隔で留め具を固定する場合があります。

 

波板の雨漏り修理にかかる費用相場

ポリカ屋根

波板の雨漏り修理にかかる費用相場は、5~20万円ほどです。
屋根の大きさや波板の設置箇所など、現場環境によって費用は変動します。
そのため、以下の施工事例と参考価格を確認して、ご自宅の波板屋根と同じようなケースと照らし合わせてみてください。

「波板屋根の工事事例と価格」

 

火災保険を当てにした波板の雨漏り修理は要注意

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波板修理に火災保険を適用できる可能性はありますが、保険金が必ずおりる保証はないため注意が必要です。

波板が雨漏りしてしまった場合、火災保険を使って修理したいという方もいるのではないでしょうか。

波板を修理する場合、自然災害で破損した場合には火災保険を使える可能性があります。

注意点として、経年劣化など自然災害以外の原因で波板が雨漏りした場合には火災保険を使うことができません。

火災保険を申請すると保険会社の調査がはいります。

保険会社の調査で認定されなければ、保険金を使って修理することができないということも覚えておいてください。

波板の雨漏りを修理する際に火災保険を当てにするのは、注意が必要です。

 

波板屋根の種類と特徴

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波板屋根の種類について、現在使用されているのは主に以下の4つです。

・ポリカーボネート
・ガルバリウム鋼板
・トタン
・塩化ビニル樹脂

最もおすすめなのが、耐久性や価格、機能面で優れているポリカーボネートです。

ポリカーボネートは透明性があり光を通すため、洗濯物を干すベランダの屋根などにも適しています。

耐紫外線にも優れているため、明るさを保ちつつ紫外線のカットをすることが可能です。

価格は比較的安価でかつ耐久性もあり、コストパフォーマンスの面でもおすすめの素材です。

ガルバリウム鋼板は耐久性が高い点が特徴ですが、その分価格も高めになっています。

また、ガルバリウム鋼板は透明ではないため、太陽光が遮られてしまうというデメリットもあります。

トタンは耐久性に優れていますが、錆びやすく、現在は入手困難であることからあまり使われていません。

塩化ビニル樹脂は安価ではありますが、耐久性は低く短期間で修理が必要になる可能性が高いです。

これらの理由から、現在は価格や機能面で優れているポリカーボネートの波板を使用することが一般的となっています。

 

波板屋根の雨漏りを修理する際の注意点

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DIYで波板屋根を修理する上での注意点を紹介していきます。
波板屋根の雨漏り修理を検討中の方は、ぜひ以下の注意点を参考にして工事の失敗を防ぎましょう。

 

コーキングだけの修理はしないようにする

波板屋根に穴があいているからと、コーキングだけの修理はしないようにしましょう。
コーキングは雨漏り対策として、波板にあいた穴を一時的に埋められます。
しかし、コーキングだけの修理だと完全に穴を塞げないため、雨漏りの再発に繋がります。
あくまで応急処置にすぎないので、破損している波板屋根は早めに交換するようにしましょう。

 

ケガをしないように気をつける

波板屋根の修理の際はケガをしないように注意しましょう。
波板をカットする際、刃物や波板の端でケガをする可能性があります。
また、波板をカットしている最中に破片が飛び散る場合もあるため、作業場所に自身以外が立ち入らないようにもしましょう。
さらに、既存の波板を外したり、下地に設置したりする際は高所作業になります。
そのため、高所作業が難しい、仕上がりが不安と感じる方は、業者に依頼した方が安心です。

 

波板の寸法調整には注意する

波板をカットする際は、寸法を間違えないように注意しましょう。
また、波板は真っ直ぐ切ることで耐久性が高まります。
波板を真っ直ぐ切るためには、平らな場所を作業スペースに選びましょう。
斜めにカットしてしまった波板は、見栄えが悪く、耐久性が落ちて早期の破損に繋がります。
施工に慣れない人だと、波板の寸法を測って真っ直ぐ切るのは、難しい場合があります。自身ではきれいに波板をカットできないと判断した場合は、専門業者に依頼するようにしましょう。
業者に依頼すれば、寸法ミスのない、きれいな切断面の波板屋根が施工できるでしょう。

 

2.5山以上重ねる

波板屋根の雨漏り修理をするときには、しっかりと重ね合わせることが大切です。

その理由は、強風時の雨や豪雨の際などに波板の継ぎ目から雨水が流れ込むのを防ぐためです。

目安として、波板の山を2.5山以上重ねることで雨水の侵入を防ぎやすくなります

ただし、屋根の上から下までの長さが3m以上あるなど大きなものの場合には、3.5山以上重ねるほうがより安心です。

台風や雨の多い地域や豪雪地帯では、さらに重ねる幅を広くとることをおすすめします。

 

波板パッキンを活用する

波板の雨漏り対策として、波板パッキンの活用もおすすめです。

波板パッキンとは、波板と波板に被せる板金の役物との間に挟む素材のことを指します。

波板は波状のうねりがある形なので、役物との間に隙間ができてしまいます。

パッキンを使用せず波板を設置すると、隙間から雨やゴミが入り込みやすくなり、雨漏りを引き起こすことにもなりかねません。

波板パッキンを使うことで不要な隙間を塞ぎ、雨漏りのリスクを減らすことができます。

 

波板屋根の雨漏りは修理業者への依頼がおすすめ

波板 人物
波板の雨漏りはDIYで修理することも可能ですが、一般的には修理業者への依頼がおすすめです。

しかし、DIYに不慣れな人が作業をすると、適切な施工ができずに雨漏りが再発してしまうこともあります。

作業中にケガをしてしまったり、高所から落ちてしまったりする危険性もあります。

DIY初心者の方には波板の雨漏り修理は控えておいたほうがよいでしょう。

よって、安全に的確な修理をしたい方や自力での修理に不安を感じる方は、修理業者に依頼することをおすすめします。

 

信頼感のある業者の選び方

波板 人物2
波板の雨漏りを修理する際には、信頼できる業者選びも大切です。

信頼感のある業者の選び方について、下記の5つのポイントについて解説していきます。

・建設業許可を得ているか
・リフォームパートナー協議会に加盟しているか
・地元で長年営業しているか
・自社職人がいるか
・国家資格を取得した職人がいるか

これから波板の雨漏りを業者に頼むときには、ぜひこれらのポイントについてチェックしてみてください。

なぜこれらのポイントが大切なのかを紹介していきます。

 

建築業許可を得ているか

建設業許可とは、建設業法第3条によって定められている建設工事に必要な許可のことです。

建設業許可には国土交通省の大臣許可と、都道府県知事による許可の2種類があります。

建設業許可を得ていない業者でも、工事の規模や請負金額の小さいものは施工してよいとされています。

許可を得ていない業者へ波板の雨漏り修理を依頼することも可能です。

建設業許可を取得して大規模な工事も施工できる業者の方が、より信頼感あります。

ちなみに、国土交通省の検索システムから、建設業許可を取得している業者かどうかを調べることができます。

 

リフォームパートナー協議会(RECACO)に加盟しているか

リフォームパートナー協議会とは、消費者が安心してリフォームができるよう、業者のサービスや技術向上を目指している団体です。

リフォームパートナー協議会に加盟している業者は、明瞭な見積書の作成やアフターフォローなどの講座を受講しています。

よって、加盟業者からはわかりやすい対応が期待できます。

リフォームパートナー協議会の公式サイトから加盟業者を調べることができるので、気になった方は参考にしてみてください。

 

地元で長年営業している業者か

地元で長年営業している、評判の良い業者を見つけることもおすすめです。

自宅近くに修理業者があると、雨漏りなどのトラブルにもすぐ来てもらいやすいというメリットがあります。

長年営業している業者であれば、これまで蓄積してきた経験や知識があります。

地域の気候や風土にも熟知しているため、適切な修理方法を提案してくれることも期待できるでしょう。

地元で評判の業者は、親戚や知人などの口コミで探すことも可能です。

インターネットでは見つからないリアルな評判を聞けることもあるので、ぜひ訊ねてみてください。

 

自社職人がいるか

業者に修理を依頼するときは、社内に自社職人がいるかどうか確認することをおすすめします。

業者の中には工事を請け負うのみで、実際の修理は外注の職人が行うという会社もあるのです。

同じ作業でも、下請け業者に外注することにより、マージン(手数料)がかかり、費用が高くなる場合があります。

そのため、自社職人が所属している会社かどうか、作業をすべて外注していないかという点もチェックしておくとよいでしょう。

 

国家資格を取得した職人がいるか

安心できる業者選びのポイントとして、国家資格を取得した職人がいることも挙げられます。

波板屋根の修理においては、以下の資格が参考になります。

・建築板金技能士
・かわらぶき技能士
・建築士
・施工管理技士

国家資格を取得していることから、確かな知識と技術を有していると判断できます。

ちなみに、波板プロでは建築板金技能士と施工管理技士の国家資格を取得している職人が在籍しています。

波板の修理でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

波板の雨漏りを改善した施工事例


上記写真の事例では、経年劣化によってベランダの波板がめくれ、雨漏りが発生していました。

そこで、屋根の修理時に波板の交換作業も行いました。

今回はブロンズクリアーのポリカーボネートを採用しています。

作業日数は1日で、価格は6万円で施工することができました。

修理後は波板の隙間やゆがみも解消され、雨漏りの心配がない波板屋根に生まれ変わりました。

 

波板屋根からの雨漏りでよくある疑問

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波板屋根の雨漏りでよくある疑問や質問にお答えします。

波板屋根が劣化していることが気になっていても、修理のことがよくわからずに放置してしまっているという方もいるのではないでしょうか。

よくある下記3つの疑問について、詳しく解説していきます。

・修理にかかる時間は?
・波板の部分補修は可能?
・波板屋根の修理のタイミングはいつ?

波板屋根の劣化や雨漏りに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

修理にかかる時間を知りたい

波板修理を業者に依頼する場合、一般的には半日〜2日程度の時間が必要です。

作業する場所の環境や施工の規模によって作業日数は多少変動しますが、基本的には短期間で完了することが多いです。

 

波板の部分補修はできるか知りたい

波板に穴があいてしまった場合、交換せずに部分補修できるかというお問い合わせをいただくこともあります。

基本的には、波板に穴があいてしまった場合は、交換することがおすすめです。

どうしても補修で済ませたいということであれば、アルミテープやコーキングなどで応急処置をすることもできます。

ただし、応急処置をしていても雨漏りなどのトラブルが再発してしまうリスクはあるため、基本的には交換修理が必要です。

 

波板屋根の修理を考えるタイミングを知りたい

波板屋根で主に使われているポリカーボネートの耐用年数は10年前後です。

使用状況によって多少前後する場合はありますが、10年を目安に交換することをおすすめします。

また、設置から10年未満の波板でも、割れやゆがみなどの大きな破損や、雨漏りなどのトラブルが発生している場合には、交換修理を検討してみてください。

 

波板屋根が雨漏りしたら再発を防ぐためにも交換修理をしよう

ガルバ波板1

波板が雨漏りをしたら、必ず新しい部材に交換して修理をしましょう。
波板は正しい手順と施工内容で修理を進めることにより、美観と耐久性が維持されます。
DIYで交換修理をする場合は、ケガをしないように注意してください。
ただし、高所作業に抵抗がある方は、業者に依頼するのがおすすめです。
ケガや施工不良を防ぐためにも、波板の雨漏り修理は専門業者に相談しましょう。

「波板屋根って?ポリカーボネートって?」では、波板に適した素材をご紹介しています。
耐久性に優れた素材が欲しい場合はぜひご確認ください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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