波板コラム

プラスチックのトタン屋根の修理方法とは?ポリカーボネートとの違い

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「プラスチックのトタン屋根はどうやって修理すればいい?」

プラスチックのトタンを屋根材に使用している方は、このように悩むこともあるでしょう。
前提知識として、一般的に「プラスチックのトタン」と呼ばれる素材は、正確には「ポリカーボネート」と言われるものです。

この記事では、ポリカーボネート屋根の修理方法や費用相場についてまとめています。
具体的な内容は以下の5点です。

・ポリカ屋根とは?
・プラスチック屋根とポリカーボネートの違い
・ポリカ屋根の修理手順
・ポリカ屋根を修理する費用相場
・ポリカ屋根の修理は誰に依頼できる

屋根の修理に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

プラスチックのトタン屋根とは?

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「プラスチックのトタン屋根」とは、ポリカーボネートの素材で作られた波状の屋根材を指します。

実は、「トタン」とは金属製の薄い板のことを指します。
つまり、「トタン屋根」とはプラスチックではなく金属製の屋根です。
そのため、「プラスチックのトタン屋根」というと、「プラスチックの金属製屋根」という矛盾した表現になってしまうのです。

実際には、ポリカーボネート製の波板のことを「プラスチックのトタン」と勘違いして呼んでいるケースが多いでしょう。

この記事では、「プラスチックのトタン屋根」というのは「ポリカーボネート素材で作られた波板」と定義して解説していきます。

プラスチックの屋根材とポリカーボネートの違い

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プラスチックの屋根材とポリカーボネートに違いはなく、あくまで同じジャンルの中に含まれます。
プラスチック屋根という言い方はせず、ポリカーボネートを略して「ポリカ屋根」と呼ぶのが一般的です。

ポリカーボネートは素材として優れた特徴を持っており、波板の材料として広く普及しています。

ポリカ屋根(プラスチックのトタン屋根)の修理が必要な時期や症状とは?

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ポリカ屋根は、耐用年数が近づいたり、破損したりした際に修理が必要です。
ポリカーボネートの屋根を快適に使い続けるためには、適切なタイミングで修理を行わなければ破損する場合があります。
修理のサインが見られる状況を放置すると、屋根が落下して車にキズがついたり、人がケガを負ったりする可能性があるので危険です。
ポリカーボネートの屋根の修理が必要な時期や症状とはどのような時か、以下で解説します。

耐用年数

ポリカーボネートの耐用年数は、一般的な環境下で使用すると10年ほどです。
耐用年数を過ぎたポリカーボネートは、本来の性能が失われて、破損しやすい状態になります。
そのため、設置してから10年を目処に交換するのが最適です。
ただし、ポリカーボネートの状態が悪いと、耐用年数を待たずに交換する場合もあります。

破損

耐用年数を待たずに、ひび割れや欠けなどの破損箇所を見つけた場合は、早めに交換するのがおすすめです。
台風やひょうなどの自然災害を受けると、耐久性の高いポリカーボネートでも破損する可能性があります。
劣化したポリカーボネートは耐用年数が短くなるため放置は危険です。
小さな破損でも見つけたら、まずは専門業者に調査を依頼してみましょう。

ポリカーボネートのメリット

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ポリカーボネートを屋根材に用いると、以下の4つのメリットがあります。

・透明度が高い
・衝撃に強い
・加工がしやすい
・自己消火性を持つ
以下にて、それぞれの内容を詳しく解説します。

透明度が高い

ポリカーボネートは、透明度の高い素材です。
アクリルやガラスに負けないほどの透明性を持つため、屋根の下が明るく活動しやすいというメリットがあります。
クリアなタイプは空間に開放感も与えるため、狭いスペースに屋根を設置する場合はポリカーボネートが向いているでしょう。
そのほかにも、スモークタイプや色をつけたポリカーボネートなど、使用用途によって色味を選べます。

衝撃に強い

ポリカーボネートはガラスの250倍もの耐衝撃性を持つ素材です。
ひょうやあられ、強風による飛来物への耐性があります。
衝撃を受けても穴があいたり、割れたりするリスクが低いため、安全に使用できる素材と言えるでしょう。
ただし、耐用年数を過ぎたポリカーボネートは劣化が進んでおり、割れやすい状態になっているため注意が必要です。
安全を確保するためにも、耐用年数を目安に交換をしましょう。

紫外線に強い

ポリカーボネートは紫外線に強いというメリットもあります。
表面に耐候処理が施されているため、紫外線による劣化を防げるのです。
そのため、トタンや塩化ビニル樹脂よりも紫外線による劣化スピードが遅らせられます。
紫外線をカットしつつ太陽光の明るさを取り込めるので、ベランダやテラスの屋根によく採用されています。

加工しやすい

ポリカーボネートは柔らかく加工しやすい素材です。
ハサミやカッターでも切断できるため、加工がしやすく、さまざまな形状に変えられます。
用途に合わせて形を変えられることから、屋根以外でも使われています。
ハサミやカッターで切断できるほどの加工のしやすさなので、DIYにもおすすめです。
加工にもあまり時間がかからないので、修理や交換の際の工期も短縮できます。

ポリカーボネートのデメリット

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ポリカーボネート(プラスチックのトタン屋根)を設置する際は、デメリットについても知っておきましょう。
デメリットとして挙げられるのは、次の通りです。

・キズがつきやすい
・高温多湿の環境下では劣化しやすい
・溶剤系の薬品や洗剤などに弱い

それぞれの内容を解説します。

キズがつきやすい

ポリカーボネートは衝撃性が高いものの、柔らかい素材のため表面にキズがつきやすいという問題点があります。
キズがつくと美観が損なわれてしまうため、取り扱いには注意が必要です。
表面を力強くこすったり、飛来物が当たったりするとキズがつきます。
景観を保つためにも、扱いには気を配るようにしましょう。

高温多湿の環境下では劣化しやすい

高温多湿の環境に弱いのもポリカーボネートのデメリットです。
高温多湿の環境にさらされると、変色したり劣化したりしやすくなります。
加工がしやすくて耐久性に優れたポリカーボネートは、比較的どのような現場でも取り付けられるのが利点です。
しかし、一部の地域では不適切な場合もあるため、環境に合うかどうかを業者に相談しましょう。

溶剤系の薬品や洗剤などに弱い

ポリカーボネートはアルコールやシンナーなどに弱い素材です。
溶剤系の液体に触れると、反ったり、割れたりする恐れがあります。
万が一にも溶剤系の液体に触れて劣化すると、修復は難しくなるため交換が必要です。
ポリカーボネート屋根を掃除したい場合は、基本的に水洗いで十分です。
もし、洗剤を使った方がよい場合は、成分を確認してから使用するようにしましょう。

ポリカ屋根(プラスチックのトタン屋根)を修理する手順

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ここからは、ポリカーボネート屋根の修理手順を紹介していきます。
ポリカーボネート屋根を修理する手順は以下のとおりです。

・道具を用意する
・下準備をする
・ポリカーボネート製の波板を用意する
・屋根に設置する

それぞれの手順について、詳しく解説していきます。

道具を用意する

施工に取り掛かる前に、ポリカーボネート屋根の修理に必要な道具を用意しましょう。
道具はホームセンターやインターネット通販などで購入できます。
主に必要とする道具を以下にまとめました。

・インパクトドライバー
・ハサミ
・カッター
・キリ
・ビスや釘
・マジックや鉛筆
・ハシゴ
・掃除用具

修理に必要な道具を用意するのはもちろん、現場をきれいにするためのお掃除アイテムも揃えておきましょう。
道具が揃わなければ、スムーズに修理を行うのが難しくなります。

下準備をする

次に、既存の屋根材を撤去します。

屋根材を撤去する際には、雨樋に溜まった葉っぱやゴミも清掃しておきましょう。
雨樋の内部は屋根材を外さないと清掃できないため、この機会に合わせてきれいにしておくことを推奨します。

屋根材の撤去と雨樋の清掃が完了したら、下準備は完了です。

ポリカーボネート製の波板を用意する

屋根材の撤去が終わったら、次はポリカーボネート製の波板を準備します。

ポリカーボネート製の波板は、屋根のサイズに合わせてカットしていきましょう。
ポリカーボネートはカッターを利用すれば、簡単に切断できます。
作業時はケガをしないように、軍手をつけるようにしましょう。

波板がカットできたら、次の段階に進みます。

屋根に設置する

カットしたポリカーボネートの波板を、屋根の支柱に設置します。

固定する際の目安として、留め具の間隔は5山おきに取り付けることを意識しましょう。
5山おきに設置することで、強風が吹いても波板が煽られにくくなります。

また、留め具は谷側ではなく、山側に取り付けるようにしてください。
雨水は波板の谷側を通過するため、取り付け箇所を間違えると、雨漏りの原因になってしまいます。

ポリカ屋根(プラスチックのトタン屋根)を修理する際の費用相場

ポリカーボネート屋根を修理する際の費用相場は、それぞれの環境により異なります。
参考として、費用が左右される要因は以下の3点があります。

・屋根の大きさ
・屋根の階層
・現場の環境

これらを踏まえた上での費用相場は、5〜20万円ほどが目安です。
施工事例や参考価格」では事例や価格を紹介しているので、費用が気になる方はご自宅の環境と合うものを探してみてください。

ポリカーボネート本体の価格

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ポリカーボネート本体の価格は、サイズによって相場が決まっています。
ポリカーボネートのサイズは6尺からあります。
6尺以上のサイズは以下の通りです。

・6尺(幅655mm×1,820mm)
・7尺(幅655mm×長さ2,120mm)
・8尺(幅655mm×長さ2,420mm)
・9尺(幅655mm×長さ2,730mm)
・10尺(幅655mm×長さ3,030mm)

サイズ別に相場がわかるように、それぞれの価格を以下にまとめました。

・6尺: 1,500~3,500円ほど
・7尺: 1,800〜3,800円ほど
・8尺: 2,100〜4,100円ほど
・9尺: 2,400〜4,400円ほど
・10尺: 2,700〜4,700円ほど

3尺や4尺を必要とする場合は、6尺や8尺をそれぞれ半分にして使用します。
業者に工事を依頼する場合は、上記の価格に施工費や足場の設置費用などが追加されます。
自宅の屋根にポリカーボネートを使用する際に、どのくらいの費用がかかるのか気になる場合は見積もりを依頼しましょう。

ポリカ屋根(プラスチックのトタン屋根)の修理は誰に依頼できる?

ポリカーボネート屋根の修理は、「建築板金業者」に依頼しましょう。
建築板金業者は、屋根修理のスペシャリストです。

インターネットで、「屋根修理」+「○○市」と検索すると、地域内で活動している業者が見つかります。

ポリカ屋根(プラスチックのトタン屋根)の修理はDIYでも可能?

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ポリカーボネート屋根の修理や交換はDIYでも可能です。
ホームセンターやインターネット通販で道具や材料を揃えて、施工動画や記事を参考にすればDIYで施工できるでしょう。
しかし、安全性や完成度を考えると、業者に依頼したほうが安心です。
DIYで修理や交換を行えば、施工不良が起きて屋根の耐久性を著しく低下させてしまう可能性があります。
そうすると、小さな衝撃で屋根が破損して落下する危険性が高まるのです。
また、高い場所での作業はケガのリスクを上げてしまうため、無理な行動実行は避けてください。
簡単な修理であればDIYで対応してもよいでしょう。
高所作業が苦手だったり、施工に自信がなかったりする場合は、業者に依頼することをおすすめします。

屋根修理を依頼する業者の選び方のコツ

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修理を依頼する際に、できるだけ優良業者に依頼したいと考えるのは当然でしょう。

そこで屋根修理を依頼する業者の選び方について、以下の4つのポイントを紹介します。

・相見積もりをする
・自社職人がいるか確認する
・地域で長く営業している業者を選ぶ
・建設業許可を持っている業者を選ぶ
・国家資格の取得に力を入れている業者を選ぶ

それぞれについて、詳しく解説していきます。

相見積もりをする

業者選びをする際は、必ず「相見積もり(あいみつもり)」をしましょう。
複数の業者の見積もりを比較することで、大まかな費用相場が理解できます。

見積もり依頼の際にチェックするポイントは、以下の3点です。

・しっかり細部まで調査しているか
・屋根に関する知識を持っているか
・わかりやすい説明をしてくれるか

注意点として、相見積もりを取りすぎると確認作業が大変になるので、比較は2社までにしておきましょう。

自社職人がいるか確認する

依頼する会社が自社職人を抱えているか、確認しましょう。
建築板金業者の中には、自社で職人を抱えずに外注している会社もあります。

外注を依頼すると中間マージンが発生し、その分工事の総額が上がってしまう可能性があります。
また経由する会社が増えると、情報の伝達が複雑になり、工事のクオリティも維持しにくくなるでしょう。

工事を発注する前には、自社職人の有無をチェックしておくことがおすすめです。

地域で長く営業している業者を選ぶ

「地域で長く営業している」という事実は、「信頼度が高い業者」と判断できるポイントのひとつです。

地元に根付いた商売をするためには、お客さまからの信頼を得ることが絶対的な条件です。
潰れずに長く営業できているのは、多くのお客さまから信頼を得ている証拠とも言えます。

また、自宅から近い地域密着の業者であれば、急なトラブルにも臨機応変に対応してくれます。
地域密着の業者とは長いお付き合いができるため、別の修理を依頼する際も親身に相談に乗ってくれるでしょう。

建設業許可を持っている業者を選ぶ

業者が建設業許可を持っている場合、さらなる安心材料になります。
建築業許可を所持するには、以下の基準をクリアしなければいけません。

・管理体制の基準を満たしている
・専任の技術者がいる
・請負工事に関する誠実性がある
・ある程度の資金を確保できている

もちろん建設業許可がなくても質の高い工事をしてくれる業者はたくさん存在します。
しかし、建設業許可を持っている業者の方がより信頼できるのは間違いありません。

許可証の有無だけが判断基準ではありませんが、業者選びの基準として覚えておくとよいでしょう。

国家資格の取得に力を入れている業者を選ぶ

国家資格の取得に力を入れている業者は、組織内で技術力向上に努めているため、信用できる安心感があります。
国家資格を持つには、一定の専門知識や技術を身につけなければならず、簡単に取得できるものではありません。
スキルアップに力を入れている業者に依頼すれば、現場の状況に合わせて適切な施工方法や材料を提案してくれます。
屋根工事に関する国家資格にはどのようなものがあるのか気になる方に向けて、以下に代表的な資格をまとめました。

・建築板金技能士
・施工管理技士
・かわらぶき技能士
・建築士

ちなみに、波板プロでは建築板金技能士と施工管理技士の国家資格を持っている職人が在籍しています。
波板施工について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。

専門用語もていねいに教えてくれる業者に修理をお願いしよう

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屋根の修理について考えると、トタン屋根やポリカーボネートなど馴染みのない言葉を聞く機会が増えるでしょう。

専門用語が多いと、素人が正しい知識を得るのは難しくなります。
業者を選ぶ際は、なるべくわかりやすく説明してくれる会社を選ぶようにしましょう。

ポリカーボネート製の波板の特徴とは?施工費用やサイズなどを解説では、波板に適した素材であるポリカーボネートをご紹介しています。
耐久性に優れた素材が欲しい場合はぜひご確認ください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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