波板コラム

ポリカーボネートの強度はどれくらい?素材の特徴を徹底解説!

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「ポリカーボネートの強度はどれくらいある?」
「強度を長持ちさせる方法を知りたい」

ポリカーボネートを屋根に設置しようかと検討している方は、このような情報を把握しておきたいところでしょう。
安心安全に使い続けるためには、屋根の素材の強度を維持することが大切です。

本記事では、以下の内容を具体的に解説します。

・ポリカーボネートの特徴
・ポリカーボネートの強度
・強度を維持するための方法
・優良な業者の選び方

この記事を施工前にチェックして、ポリカーボネートの強度を長持ちさせる方法を確認しておきましょう。

Contents

ポリカーボネートとは

カーポート3

ポリカーボネートは熱可塑性プラスチックの一種です。
ポリカーボネート樹脂からつくられており、透明度が高いため屋根下が暗くならないという特徴があります。
さらに、耐久性や耐候性などが高いため、雨風に晒されるベランダやカーポートなどの屋根への使用に適している素材です。

また、カッターで切断できるほど柔らかく、加工しやすいというメリットもあります。
一般環境で使用すると、ポリカーボネートの耐用年数は10年ほどです。

しかし、耐久性は高いものの傷がつきやすいため、取り扱いに注意しないと耐用年数を待たずに交換が必要になります。
また、アルカリ剤や溶剤に弱く、液剤に触れるとひび割れや傷の原因になります。
洗剤を使わなくても比較的汚れは取れるので、水洗いで十分です。

正しい扱い方を知って、長持ちするように使用しましょう。

ポリカーボネートの強度はどれくらい?

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ポリカーボネートは熱可塑性プラスチックであり、衝撃に対する強度(耐衝撃性)が非常に高い樹脂素材です。

ガラスなどのさまざまな素材について、強度を比較していきます。

・ガラスと強度を比較
・アクリルと強度を比較
・鉄などの金属と強度を比較

詳しくみていきましょう。

ガラスと強度を比較

ポリカーボネートは、ガラスのおおよそ200倍もの強度を持ち、樹脂製の中でも耐衝撃性が高い素材です。
上から物を落としても割れるリスクは低いため、雹(ひょう)やあられ、飛来物によってポリカーボネートが破損する心配がほぼありません。

衝撃に強いことから、耐久性や強度を必要とする製品への加工におすすめです。
カーポートやベランダの屋根にもよく採用されています。

アクリルと強度を比較

ポリカーボネートの強度は、同じ厚さのアクリルと比較すると約30倍の強度です。
プラスチック素材の耐衝撃性の強度を表す「アイゾット衝撃値(J/m)」を比較してみましょう。

・アクリル:16〜22(J/m)
・ポリカーボネート:640〜870(J/m)

アクリルと比較して、同じく樹脂素材であるポリカーボネートの透明性は劣りますが、耐衝撃性の強度は非常に高い素材です。

鉄などの金属と強度を比較

金属の強度を示す指標の1つに「引張強さ(MPa)」があります。
引張強さは「物体を引っ張ってちぎれるまでに必要な力」を表しています。

代表的な金属の引張強さは下記のとおりです。

・鉄:196MPa
・銅:195MPa
・アルミ:55MPa

ポリカーボネートの引張強さは、62〜66Mpaです。
鉄や銅には劣りますが、アルミと比較すると同等以上の引張強さを持っている素材と言えるでしょう。

ポリカーボネートはなぜ強度(耐衝撃性)が高い?

波板 外壁

ポリカーボネートの高い強度の秘密は、衝撃エネルギーをうまく分散できる分子構造にあります。
ポリカーボネートを構成する分子構造の中には自由な空間が多く、衝撃エネルギーを効率的に分散できます。

そのためポリカーボネートは他の樹脂素材と比較しても、強い衝撃を与えられても壊れる心配が少ないです。
分子構造内に自由な空間をもつことによって、ポリカーボネートはアクリルやガラスにもまさる高い強度を手に入れています。

ポリカーボネートの強度を維持するためのポイント

カーポート波板施工4

屋根に施工するポリカーボネートの強度を維持するためのポイントを以下にまとめたので、使用する際に参考にしてみてください。

・正しい方法で施工する
・定期的にメンテナンスを行う
・専門の業者に施工を依頼する

それぞれの内容を解説します。

正しい方法で施工する

ポリカーボネートを屋根に施工する際は、正しい方法で行わないと強度が低くなります。
そのため、正しい施工方法を確認しておくことが大切です。

まずは、下地に合った留め具を使用しましょう。
波板の留め具を下地に合わせて施工することも、ポリカーボネートの強度を左右します。

例えば、アルミ製の下地の場合はアルミフックを使用します。
木材下地の場合は、上部に傘のような部材がついたネジや傘釘を使うケースが一般的です。

また、留め具の間隔は5山おきに取り付けるのが基本です。
5山以上の間隔をあけると、ポリカーボネートの屋根が飛散したり、割れたりする原因になります。

間隔を誤って留め具を取り付けないように、固定位置に印をつけるのが施工時のポイントです。

定期的にメンテナンスを行う

ポリカーボネートを屋根に施工したら、定期的にメンテナンスをしましょう。
メンテナンスをすることで強度を維持しやすくなるからです。

メンテナンス内容は留め具の緩みやひび割れなどのチェックです。
留め具が緩んでいると、隙間から雨漏りしたり、波板が落下したりする恐れがあります。

ひび割れがあれば、飛来物による破損や劣化が早まる可能性が高くなるでしょう。
特に、台風や降雪の日はダメージを負いやすいため、悪天候の後は状態をチェックすることをおすすめします。

もし、劣化が見られる場合は早めに専門業者に相談して、修理の必要性の有無を聞きましょう。
また、拭き掃除をする際は、基本的に水で洗うだけで十分です。
汚れがひどい場合は、水で薄めた中性洗剤やガラスクリーナーで拭き取るとよいでしょう。

専門の業者に施工を依頼する

ポリカーボネートをベランダやカーポートの屋根へ施工する際は、専門の業者に依頼するのが得策です。
取り扱いに慣れている専門業者であれば、工事の失敗を防ぎ、素材の強度を維持しやすい傾向にあります。

専門業者の中でもポリカーボネートの施工を依頼するなら、屋根工事の専門家である建築板金業者がおすすめです。
専門業者であれば、施工実績が豊富でスキル面で安心感があります。

ポリカーボネートの種類

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ポリカーボネートには、主に「平板ポリカーボネート」と「波板ポリカーボネート」の2種類があります。
どちらも強度が高く使いやすい素材ですが、異なる特徴があり用途もさまざまです。
各種類の特徴について詳しく解説していきます。

平板ポリカーボネート

平板ポリカーボネートは断面が長方形となるような一枚板のタイプです。
色付きやすりガラス加工したものなどさまざまな種類があります。
ラインナップが豊富であることから、色や光の取り入れ具合も選びやすいのが特徴です。

波板ポリカーボネート

「波板ポリカーボネート」は断面が波型であり、雨水を流しやすい構造になっています。
平板ポリカーボネートよりも強度が高いというメリットもあります。
雨水にさらされることの多いカーポートやベランダの屋根に使用しやすい素材です。

ポリカーボネートのメリット

カーポート波板施工3

ポリカーボネートのメリットは下記のとおりです。

・強度が高い
・透明性が高い
・耐候性が高い
・燃えにくい

アクリルやガラスなどの他の素材と比較しても非常にメリットが多く使いやすい素材です。

各メリットについて詳しく解説します。

強度が高い

ポリカーボネートの強度はアクリルの30倍、ガラスの約200倍といわれています。
ハンマーなどで強く打っても壊れることが少なく、高い耐衝撃性を備えています。
防弾用としても使用されることもあるほど強度の高い樹脂素材です。

透明性が高い

ポリカーボネートの透明度は85〜89%です。
ガラスやアクリルには透明度が劣ってしまいます。
しかし十分に透明度が高い素材であり、強度を保ちつつ日光を取り入れたい箇所におすすめです。

耐候性が高い

ポリカーボネートは耐候性が高いため、紫外線の影響を受けにくく変色しにくいです。
他の樹脂と比較しても劣化しにくいのも特徴として挙げられます。
人間に悪影響を及ぼす紫外線のカット率も非常に高く、優秀な樹脂素材です。

燃えにくい

ポリカーボネートは自己消火性が非常に高い素材です。
炎に接している間は燃えますが、炎から離れれば自然と消火されていきます。
燃えにくい性質を持っていることも、カーポートやベランダの屋根材として使用するにあたって嬉しいポイントです。

ポリカーボネートのデメリット

透明な波板

ポリカーボネートのデメリットは下記のとおりです。

・耐薬品性が低い
・傷が目立ちやすい
・たわみやすい
・温度の影響を受けやすい

ポリカーボネートは強度が高くて扱いやすい素材ですが、欠点もあります。
どのようなデメリットがあるか詳しく解説していきます。

耐薬品性が低い

ポリカーボネートは薬品に弱い傾向があります。
アルカリ性の液体など有機溶媒や界面活性剤に触れるとひび割れを起こす場合もあるため、取り扱いには要注意です。
特に洗剤を使用した掃除を実施する際には、アルカリ性のものではなく水で薄めた中性洗剤を使用するようにしてください。

傷が目立ちやすい

ポリカーボネートは強度が高いですが、表面に傷がつきやすいのが難点です。
タオルで強く擦っただけでも傷がつくことがあります。
傷がついた部分に汚れが溜まり、外観が悪くなることも考えられます。

なるべく表面に傷がつかないように丁寧に扱うことを心がけてください。

たわみやすい

ポリカーボネートは衝撃に強い素材ですが、たわむ性質があります。
重いものを乗せる場合には、ポリカーボネートのたわみによって寸法が合わなくなる可能性も考えなければなりません。
ポリカーボネートを設置する場合には、使用用途や設置箇所からたわみ量を想定しておく必要があります。

温度の影響を受けやすい

ポリカーボネートは温度の影響による寸法変化を表す「線膨張係数」が高い素材です。
温度の上昇や下降によって寸法が変化しやすく、曲げ強さなど機械的特性も変化してしまいます。
温度変化が激しいところに使用する場合には、寸法に余裕を持たせるなどの工夫が必要です。

ポリカーボネートの施工を安心して任せられる業者の選び方

ポリカーボネートの強度をできるだけ維持できるように、安心して施工を任せられる業者に依頼しましょう。

以下の選び方を参考にしてください。

・地域密着型の業者を選ぶ
・建設業許可を持っているか確認する
・自社職人が在籍しているか確認する
・国家資格を取得しているか確認する
・リフォームパートナー協議会(RECACO)に加盟をしている業者を選ぶ

それぞれの内容を解説します。

地域密着型の業者を選ぶ

ポリカーボネートの施工を任せるなら、地域密着型の業者がおすすめです。
地域密着型の業者は地元の特性をよく理解しているため、自宅に合った工事をしてくれます。

長く地域で活動するためには、地元民からの評価が高くないとできません。
地域密着型の業者ならより丁寧に施工してくれるでしょう。

また、現場と事務所の距離が遠すぎないことから、トラブルが起きた際にすぐに駆けつけてくれるのもメリットです。
メンテナンスも依頼しやすく、長いお付き合いができるため、波板以外の工事依頼も親身に相談に乗ってくれるでしょう。

建設業許可を保有しているか確認する

業者が建設業許可を持っていると、さらなる信頼度を得られます。
建設業許可を得るには、以下の内容を満たさなければなりません。

・管理体制をクリアしている
・専任の技術者が在籍している
・請負工事に関する誠実性がある
・ある程度の金銭的な信用を得ている

ポリカーボネートを屋根に設置する際は、建設業許可を必要としないケースがほとんどです。
建設業許可がなくても良質な工事をしてくれる業者もいるでしょう。

しかし、より安心して任せられるのは建設業許可を保有している信頼度の高い業者です。
万が一トラブルが発生しても、スムーズに対応してくれるでしょう。

自社職人が在籍しているか確認する

自社職人が在籍している業者は、工事の相談から施工までスムーズに進みやすいメリットがあります。
相談から施工まで経由する業者が増えると、伝達内容が混雑して工事や接客に支障がでるでしょう。

自社職人がいる会社は仲介業者を挟まないため、工事の希望内容を施工時に的確に伝えられて失敗を防ぎやすいです。
さらに、仲介業者を通すことで、そのぶん施工費用が高くなる可能性があります。

費用対効果を考慮すると、自社職人がいる業者に依頼するほうが安心です。

国家資格を取得しているか確認する

国家資格を取得している職人が在籍している業者は、施工面での安心感があります。
波板工事に関連する国家資格には、以下のような内容があります。

・建築板金技能士
・施工管理技士
・建築士

国家資格を取得するということは、技術力向上に力を入れている業者です。
取得した知識や技術を職人同士で高め合うため、誰が施工しても仕上がりに差が出にくいです。

業者のホームページに保有資格が記載されているので、事前に確認しておくとよいでしょう。

リフォームパートナー協議会(RECACO)に加盟をしている業者を選ぶ

工事を依頼する際にはリフォームパートナー協議会に加盟している業者を選びましょう。
リフォームパートナー協議会は信頼される業者の育成や技術力の向上を目的として、加盟団体に対して講習などを実施している社団法人です。

加盟している業者は講習を受けてから現場に出るため、技術力や信頼性が一定以上保障されていることが多いです。
講習を受けてさらに技術力向上を目指す業者なら、安心して施工を依頼できます。

リフォームパートナー協議会の公式サイトから加盟している業者を探せるので、事前にチェックしましょう。

ポリカーボネートでよくある質問

波板

ポリカーボネートについてよくある質問は下記のとおりです。

・アクリルとポリカーボネートの違いは?
・ポリカーボネートの価格は?
・ポリカーボネートの耐用年数は?

ポリカーボネートについて理解を深め、実際に施工を依頼する際の参考にしてみてください。

アクリルとポリカーボネートの違いは?

強度や透明度に違いがあります。
ポリカーボネートの強度はアクリルの約30倍です。

アクリルも耐衝撃性に優れており強度が高い樹脂素材ですが、ポリカーボネートの方がより強度が高い素材です。
アクリルは、ポリカーボネートよりも高い透明度をもち、傷がつきにくい性質を持っています。

しかし燃えやすく、摩擦力に弱いのが欠点です。
使用用途の違いとして、アクリルは、高い透明度が求められる水槽や窓材、照明器具に用いることが多いでしょう。

一方ポリカーボネートは屋外のカーポートやベランダの屋根材など、強度が求められる箇所に使用される場合が多いです。

ポリカーボネートの価格は?

ポリカーボネートの価格は下記のとおり、寸法によって変化します。

・6尺(幅655mm、長さ1820mm):1,500~3,500円程度
・7尺(幅655mm、長さ2,120mm):1,800〜3,800円程度
・8尺(幅655mm、長さ2,420mm):2,100〜4,100円程度
・9尺(幅655mm、長さ2,730mm):2,400〜4,400円程度
・10尺(幅655mm、長さ3,030mm):2,700〜4,700円程度

ポリカーボネートと同じく、ガルバリウム鋼板製の波板もカーポートの屋根材として使用されます。
ガルバリウム鋼板製の波板は6尺で2,000〜4,000円程度です。

6尺の波板ポリカーボネートは1,500~3,500円程度であるため、比較的安価な素材であると言えます。

ポリカーボネートの耐用年数は?

ポリカーボネートの耐用年数は10年です。
10年ほど使用した後は交換するのをおすすめします。

ポリカーボネートは耐候性も高く劣化しにくい素材です。
しかしメンテナンスを行っていない場合には、ひび割れなどの経年劣化はより早く進行します。
雪が積もったらそのままにしないことや、定期的に点検して不具合がないかどうかをチェックしてみてください。

適切なメンテナンスを実施することで長期間使用できます。

ポリカーボネートの強度の維持するためには優良業者に施工を依頼しよう

ポリカーボネートの強度を維持するためには、優良業者による正しい施工と定期的なメンテナンスが大切です。
強度を維持できれば、飛来物や自然災害の影響で破損したり、落下したりするリスクが低くなって、安心安全に使い続けられます。

国家資格の取得に力を入れていて、地域で長く営業している業者は信頼度が高い傾向にあります。
優良な業者を選んで、ポリカーボネートを長持ちさせましょう。

建築板金業者である「波板プロ」では、ポリカーボネートの施工を数多く手掛けています。

屋根にポリカーボネートを設置したい方は、お気軽にご相談ください。

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内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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