波板コラム

波板屋根の修理方法とは?直すべき状況やDIYが可能かも説明!

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「波板屋根の修理を検討中のため修理方法が知りたい」
「業者へ依頼するか悩んでいるため費用が知りたい」
そんなあなたへ、波板屋根の修理方法と費用を紹介します。
波板屋根が修理すべき状況なのに先延ばしにしてしまうと、後々かかる費用が高額になる可能性があります。
波板屋根の現状を確認して、業者へ依頼するかDIYで修理するか決断しましょう。
また、波板屋根を直すべき状況はどんなときか、修理はDIYで可能かも解説します。
こちらの記事を参考にすれば、波板屋根をいつ、どのように修理すべきか判断しやすいでしょう。

 

波板屋根の修理や交換が必要な状態とは

波板屋根の破損

現在、波板屋根が以下の2つのような状態であれば、修理や交換を検討しましょう。

・破損している
・耐用年数が近い

波板屋根の修理や交換が必要かどうか判断するには、現在の状態をよく確認する必要があります。
修理や交換が必要となる、それぞれの状態について詳しく紹介します。

 

波板屋根が破損したとき

劣化や積雪、飛来物などで穴があいたり割れたりしたときは、波板屋根の修理や交換を検討しましょう。
波板屋根の破損を放置すると穴が広がったり、さらに割れて破片が飛んでいったりする可能性もあります。
修理や交換を先延ばしにすることで、破損箇所が拡大して補修費用がさらにかかってしまうでしょう。
破損に気づいた時点で、波板屋根の修理または交換することをおすすめします。

 

波板屋根の耐用年数が近いとき

波板屋根の素材の耐用年数が迫っている場合は、修理または交換することをおすすめします。
まずは、いま使用している波板屋根の種類は何か確認してみましょう。
また、使用し始めてから何年くらい経過しているかもチェックしてください。

使用されている波板屋根の種類ごとに、耐用年数は変わってきます。
耐用年数を過ぎれば、経年劣化により耐衝撃性や耐久性が落ちます。
耐久性が落ちれば、破損して住宅内部にも悪影響を与えるでしょう。

現在主流の波板屋根の種類は「ガルバリウム製」と「ポリカーボネート製」です。
ガルバリウム製の耐用年数は、約15〜20年となっています。
そしてポリカーボネート製であれば、耐用年数は約10年です。

現在設置している波板屋根の種類や使用年数を確認して、必要であれば修理や交換を検討しましょう。

 

波板屋根の修理に必要な部材や道具

DIY

波板屋根を修理する際に必要となる部材や道具は、主に以下の4点です。

・インパクトドライバー
・交換用の波板
・波板をカットする道具
・波板を固定する新しいビスや釘

波板をカットする道具は、電動ノコギリや波板用のハサミ、カッターなどです。
波板の素材によって使用する道具は異なります。

ガルバリウム鋼板製の波板は耐久性が高いので、電動ノコギリを使用します。
ポリカーボネート製はハサミやカッターでのカットが可能です。
波板修理に必要な道具はすべてホームセンターで簡単に手に入りますので、作業前に準備しておきましょう。

また、手を保護するための軍手や高所作業用の脚立、ビスや釘を打つための金槌やインパクトドライバーなども必要となる場合があります。
ご自宅に無い場合には、併せて購入しておきましょう。

波板屋根の修理方法

ガルバ波板2

波板屋根の修理の流れは、以下のとおりです。

・波板の留め具を取り外す
・下地を掃除する
・波板を屋根のサイズに合わせてカットする
・波板をセットして留め具を付け直す

波板屋根が破損した場合は、交換での修理をおすすめします。
破損箇所が一部でも、ほかの部位も劣化で弱くなっていると考えられるからです。

劣化箇所がほかにもあれば、破損箇所を修理しただけではすぐに再発して、結局は交換しなければならなくなります。
修理工事を2回行うことになるため、費用がかさんでしまうでしょう。

また、波板屋根の交換修理を依頼することで、下地と溝を掃除できて全体をきれいに保てます。

以下では、波板屋根の修理方法のステップをそれぞれ詳しく解説していきます。

 

波板の留め具を取り外す

波板を固定している、L字型でフックタイプになっているビスや釘などを取り外します。
留め具の取り外しは、手で行うか、インパクトドライバーを使用します。
インパクトドライバーとは、ビスを外すために使う電動ドライバーです。

 

下地を掃除する

波板屋根を外したら、下地と溝の掃除を行います。
特に、溝の部分はゴミが溜まりやすいうえに、波板屋根を外さないと掃除できない部分です。
波板交換のときにしか掃除する機会がないからこそ、しっかりと掃除をします。

 

波板を屋根のサイズに合わせてカットする

下地の掃除を終えたら、交換用の波板を屋根に合わせてカットしていきます。
波板は電動ノコギリや波板切りバサミ、カッターなどで適切なサイズに切ります。
使用する波板の種類によっては、ハサミやカッターではカットできないため注意が必要です。

 

屋根に用いられる波板の材質

ガルバリウム鋼板の波板

屋根に用いられる波板には、複数の素材があります。
以下に、波板の代表的な素材と特徴を解説します。

 

ポリカーボネート

ポリカーボネートは合成樹脂の一種で、透明なものから色つきのものまで種類が豊富です。
透明性・耐衝撃性・耐紫外線にすぐれており、さまざまな用途に使用することができます。
現在の波板の主力商品であり、寿命は10年前後です。ホームセンターで購入することが可能です。

 

ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板のことを指します。
トタンと似ていますが、サビに強いメッキが施されているので、トタンよりも3~4倍寿命が長くなっています。
耐食性・耐熱性に優れており、寿命は15~20年ほどです。
その耐久性の高さから、ガルバリウム鋼板は住宅の屋根にも採用されます。
塗装のし直しができるので、メンテナンスをすればさらに長持ちさせることが可能な場合もあります。
ただし、透光性は全くないので、光を取り入れたい場所には使いにくいのがデメリットです。

 

塩化ビニル樹脂

かつては波板の主流だった素材です。
合成樹脂の一種で柔らかく加工しやすいのでDIY素材としても人気がありました。
ただし、耐久性が低く紫外線にも弱いので、寿命は2~3年程度です。
優れた性質を持つポリカーボネート素材が一般的になったことにより、現在は生産量が減って入手困難になっています。
そのため塩化ビニル樹脂製で新しく屋根がつくられることはほとんどありません。

 

塩化ビニル樹脂(ガラスネット入り)

塩化ビニル樹脂にガラス繊維を挟むことで耐久性を上げた製品です。
かつては屋根材にもよく使われていました。
しかし、耐用年数は4~5年と短いうえ、紫外線に弱いところはカバーできていません。
ですから、現在は新規導入されることはほとんどない素材です。
DIYで使う用にほそぼそとホームセンターで販売されています。

 

トタン

薄い鉄の板に亜鉛メッキを施した素材です。
かつては「トタン屋根」という言葉があったように、屋根材としても主流でした。
耐用年数は5~7年程度です。
現在はガルバリウム鋼板にとってかわられたため、新しい屋根材として使われることはほとんどありません。
DIY用にホームセンターで売られていますが、サビやすいのがデメリットです。

 

波板屋根の補修や交換にかかる費用相場

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波板屋根の補修や交換にかかる費用は、5〜20万円ほどが相場です。
ただし、使用する波板の枚数やタイプ、施工する屋根の状態などによって費用は変わります。
広い屋根を補修するときや、破損の度合いが大きい際にはその分費用が多くかかりますのでご注意ください。

 

波板屋根の修理や交換をする際に気をつけておきたいポイント

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波板屋根の修理や交換をする際に気をつけておきたいポイントは、以下の5つです。

・設置する箇所に合った波板を選ぶ
・施工のしやすさを考える
・下地の素材に合った留め具を選ぶ
・留め具を打つ際の手順を守る
・作業中のケガに気をつける

それぞれの注意ポイントを、順番に詳しく解説します。

 

設置箇所に合った波板を選ぶ

波板屋根の修理や交換をする際は、設置箇所に合った波板を選ぶようにしましょう。
波板にはさまざまな色があり、主なカラーは以下の6種類です。

・透明(クリア)
・ブラウン
・スモーク系
・マット系
・オパール
・ミルク

例えば、ベランダに波板を設置する場合には、洗濯物を干すことがあるかどうかで色を選びます。

もし、洗濯物を毎日のようにベランダで干すのであれば、遮光率が低いカラーの波板を選ぶと乾きやすくなります。
ただし、クリア系の遮光率がかなり低い波板は、ベランダに日差しがよく入って来て眩しすぎる場合もあるのでご注意ください。

普段は洗濯物を干さず、ベランダへはたまに出るだけという場合は遮光率のある濃いカラーの波板を設置すると快適に過ごしやすくなるでしょう。
また、駐車場や駐輪場の屋根には、ブラウンやスモーク系の濃いカラーの波板がおすすめです。
濃い色を選ぶことで、紫外線による車や自転車の劣化を防げます。
ただし、屋根の下が暗くなってしまう点がデメリットとなります。

波板の色については、 以下のサイトで詳しく紹介していますのでぜひご覧になってみてください。

「波板にはどんな色がある?おすすめのカラーも紹介!」

 

施工のしやすさを考える

波板は、6尺や8尺といった複数のサイズが販売されており、自分で必要なサイズにカットして使います。
DIYで用いる場合はカットしやすいポリカーボネートのほうがおすすめです。
どうしてもガルバリウム鋼板を使いたい場合、あらかじめサイズを測っておいてホームセンターで切ってもらうと手間が省けます。
自力で切断する場合は、専用のハサミや電動ノコギリなどが必要です。

 

留め具は下地の素材に合ったタイプを使用する

波板屋根の修理の際に注意しておきたいポイントの2つ目は、下地の素材に合った留め具を使うことです。
波板の留め具には、以下の5つのタイプがあります。

・傘釘
・ビス
・ポリカフック
・フックボルトセット
・パイプボルトセット

傘釘は、ステンレス製の釘の頭に傘がついた形状をしています。
波板を設置する下地が木製のときに使用します。
ビスは下地が木や金属でできている際に使う留め具です。
ビスは、溝のあるネジの頭に雨漏れを防ぐためのカバーがついています。
ただし、ビスは下地によって施工できるタイプが異なるので、購入の際は間違えないように注意しましょう。

ポリカフックと呼ばれる留め具は、下地がアルミ製の場合に使用します。
ポリカフックの先端にはさまざまなサイズがありますので、使用する波板と下地に合ったタイプを選びましょう。

フックボルトセットは、先端がL字に曲がっているボルトと固定用の部品がセットになったタイプの留め具です。
下地がL型アングルの際に使用します。

最後のパイプボルトセットは、下地がパイプのときに使う留め具です。
留め具を購入する際には、あらかじめ下地を確認してから適したタイプを選びましょう。

 

波板に留め具を固定する際の決まりを守る

波板に留め具を固定する際は決まりを正しく守って施工することが、押さえておきたいポイントの3つ目です。
留め具は、波板の5山ごとに設置するようにしましょう。
5山ごとに留め具を固定すれば、波板と下地の密着性が高まります
波板をしっかりと固定することで、風で飛ばされたり破損したりすることを防げます。
また、留め具は必ず波板の「山側」に取り付けてください。
雨が流れてくる「谷側」に設置してしまうと、雨漏りの原因となります。
留め具の固定は決まりを守って行うことで、施工不良が起きる可能性を大幅に減らせます。

 

ケガをしないように気をつける

波板屋根を修理・交換する際は、ケガに十分注意しておきましょう。
波板をカットする際には、手を切らないように軍手をつけて作業しましょう。
また、高所での作業時には転落しないように脚立を正しくセットします。
1人での作業が難しいと感じたら、家族や友人などに協力してもらうことをおすすめします。

 

波板の留め具を付け直す

カットを終えたら波板を屋根に取り付けて、留め具も付け直していきます。
波板を留めていた古い留め具は捨てて、新しいビスや釘を使いましょう。
古い留め具は波板屋根と同じように劣化している可能性が高いため、新しいビスや釘を用意する必要があります。

また、波板を張る際はズレたり外れたりしないように、慎重に作業を行いしっかりと留めます。
細部まで確認して問題がなければ、波板屋根の交換修理が完了です。

 

波板屋根の修理はDIYで可能か

古い波板 10-9

波板屋根の修理は一部のみDIYでも可能です。
たとえば、小さな穴があいてしまったときは、アルミテープを貼ったりコーキングしたりして修理できます。
ただし、テープやコーキングでの修理はあくまで応急処置のため、破損を広げたくないのであれば、業者へ相談しましょう。

もし個人で交換までしたいという場合、かかる費用は材料費や工具費となります。
DIYで修理する際にかかる屋根材の材料費の目安は、以下のとおりです。

・ポリカーボネート製の場合 6尺で1,500~3,500円程度
・ガルバリウム鋼板製の場合 6尺で2,000〜4,000円程度

なお、6尺のサイズは素材によって異なります。
ポリカーボネート製が1.82メートル×0.65メートルで、ガルバリウム鋼板製は1.82メートル×0.8メートルとなります。

また、屋根材と別に留め具や工具の費用も予算に含めておきましょう。

波板屋根の交換は高所での作業になるため、落下してケガをするリスクがあります。
特に、不安定な足場での作業は、慣れていない人にとってハイリスクです。
専門業者に依頼した方が、安心、安全に波板屋根を交換できるでしょう。

 

波板屋根を修理してくれる優良業者を見つける方法

説明

波板屋根を修理してくれる業者はさまざまです。
どの業者に依頼するか迷う人もいるでしょう。
以下に、優良な業者を見つけるポイントを解説します。
ぜひ、参考にしてください。

 

屋根修理の実績のある工事店を探す

屋根修理の実績が豊富な工務店を選びましょう。
実績が豊富ということは、それだけ依頼数が多く腕もいいという証明でもあります。
もちろん、新規参入業者の中には優良業者もあります。
しかし、初めて屋根修理を依頼する場合は、実績がある業者のほうが相談もしやすく頼りになることでしょう。

 

地域で長く営業している工事店を探す

屋根修理を行っている業者は、全国展開している業者と地域密着型の業者があります。
波板工事の場合は地域密着型の業者のほうがおすすめです。
地域の気候風土を把握しているので、適切な工事を行ってくれるでしょう。
屋根修理業者が近くにないという場合は、板金屋さん(建築板金業者)を探してみてください。
一般家屋の波板工事は板金屋さんが請け負ってくれます。
表だって「工事をします」といっていなくても、相談すれば請け負ってくれるところが多いでしょう。

 

相見積もりを活用する

相見積もりとは、複数の業者に見積もりを依頼して比較して見ることです。
相見積もりを利用すれば、それぞれの業者の特徴が分かります。
内訳がよく分からない業者や、他に比べて極端に高い、もしくは安い業者は避けましょう。
また、施主の質問に分かりやすく答えてくれる業者がおすすめです。
相見積もりをするためには、時間に余裕を持って工事の依頼をすることが大切です。

 

波板屋根をきれいに修理したいなら専門業者に依頼しよう

波板屋根修理専門店

波板屋根の修理を検討すべき状態や、修理方法について紹介しました。
一部の修理であれば、DIYでも可能です。
しかし、安全面や仕上がりのきれいさを考慮すると、修理は専門業者へ依頼することをおすすめします。
現在の波板屋根の状態を確認して、修理が必要そうであれば、専門業者へ相談しましょう。

「波板屋根って?ポリカーボネートって?」では、波板に適した素材をご紹介しています。耐久性に優れた素材が欲しい場合はぜひご確認ください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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