波板コラム

波板屋根の勾配はどうして必要?施工する際の角度の算出方法も紹介!

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波板屋根を設置する際、どうして勾配をつけなければいけないのかとお考えになる方も多いでしょう。
波板をフラットな状態で施工したいとお思いになる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、波板屋根には勾配をつけなければいけない理由があるのです。
また、多くの方が悩みやすいのが、「波板屋根の勾配角度」です。
この記事では、波板屋根に勾配をつけなければいけない理由や、角度の算出方法を紹介します。
波板屋根の勾配についてよく理解しておくことで、施工の際の失敗を防げるでしょう。

 

波板屋根に勾配をつける理由

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はじめに、波板屋根に勾配をつける理由を以下にて説明します。
勾配をつけないと屋根にはどのような不具合が起こるのか、ぜひチェックしてみてください。

 

雨の流れをよくする

波板屋根に勾配をつけることで、雨の流れがよくなります。
屋根の上に雨水が長く溜まっていると、重みで波板が破損する可能性があります。
波板屋根のトラブルを防ぐためにも、雨がよく流れるようにしなければいけません。

 

雨漏りを防ぐ

雨がいつまでも屋根の上に溜まっていると、雨漏りしやすくなるため波板には勾配をつけなければいけません。
特に、波板は住宅の一般的な屋根に使われる建材よりも薄いので、波板を重ね合わせたところから雨漏りする危険性はより高くなります。
波板の隙間からの雨漏りを防ぐためにも、勾配をつけて雨の流れをよくしましょう。

 

屋根の劣化を防ぐ

波板に勾配をつけて設置することで、屋根の劣化を遅らせられます。
雨水がうまく流れないと屋根材を劣化させるので、素早く排水することが大切です。
波板屋根に勾配をつけて雨水を雨樋に流すことで、屋根の乾燥を早めて、寿命を延ばすことができます。
特に、金属の波板の場合、屋根の上に雨水がいつまでも溜まっているとサビの原因となります。
波板屋根には勾配をつけて、雨の流れをよくして屋根を劣化から守りましょう。

 

波板屋根に必要な勾配と角度の算出方法

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波板屋根に必要な勾配は、サイズの種類によって異なります。
波板のサイズの種類別に必要な勾配は、以下のとおりです。

・鉄板小波:3/10以上
・鉄板大波:2.5/10以上
・スレート小波:2.5/10以上
・スレート大波:2.5/10以上

波板には波のサイズによってさまざまな種類があり、タイプごとに必要な勾配が異なります。
なお、10とは10寸の略で水平を表します。
3/10とは、水平距離と高さの比率を分数で表しており、分子の数字が大きいほど勾配は急になるのです。
これを分数勾配といいます。
波板屋根に必要な勾配の角度は、分数勾配が3/10の場合は16.6992度、2.5/10では14.0362度となります。
上記の数値を参考にして、波板屋根に勾配をつけるようにしましょう。

 

波板屋根の勾配が不適切な場合に起こりうる問題

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波板屋根の勾配角度が不適切だったときに起こりうる問題を、以下にて説明します。
波板屋根の施工を失敗しないためにも、ぜひチェックしてみてください。

 

波板屋根の勾配がきつい場合

波板屋根の勾配がきつすぎる場合、雨水が勢いよく雨樋に流れてしまって受け止めきれなくなります。
雨樋から雨水が頻繁に溢れて落ちれば、外壁や住宅の基礎が傷みやすくなるのです。
また、雨水が勢いよく流れてくることで雨樋の劣化も早まります。
雨水がきちんと雨樋に流れ落ちて、排水機能が維持できるためにも、波板屋根の勾配は適切な角度でつけなければいけません。

 

波板屋根の勾配が足りない場合

反対に、屋根に勾配が足りない場合は、雨水がうまく排水されなくなります。
屋根にいつまでも雨水が溜まっていると、雨漏りがしやすくなったり波板の劣化が早まったりします。
雨水が屋根にとどまらず、うまく排水されるようにするためにも、波板屋根に必要な勾配角度を守って施工しなければいけません。

 

波板は適した勾配をつけて雨漏りや屋根の劣化を防ごう

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波板を屋根に施工する際は、雨漏りや劣化を防ぐためにも勾配をつけなければいけません。
また、勾配は急すぎてもゆるすぎてもよくありません。
波板のサイズの種類に合わせて、正確な角度で勾配をつけるようにしましょう。
また、DIYでの波板屋根の施工が難しい場合は、無理をせず専門業者に工事を依頼するのがおすすめです。

「波板屋根って?ポリカーボネートって?」では、波板に適した素材をご紹介しています。
耐久性に優れた素材が欲しい場合はぜひご確認ください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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