波板コラム

波板の固定の仕方とは?留め具別の施工方法を詳しく解説!

フックを使った波板 7

「波板はどうやって固定すればいいの?」
「波板を固定する際の注意点が知りたい」
波板屋根を施工する際、上記のように固定方法についてお悩みになる方も多いでしょう。
また、波板を固定する際は、専用の留め具を使います。
そのため、波板屋根をしっかりと固定するためにはどのような点に注意しなければいけないのか、確認しておく必要があります。
この記事では、波板を固定する方法や留め具の種類などについて詳しく解説していきましょう。
記事を読んで、波板の固定方法や専用の留め具について知識を持っておくことで、施工不良を防ぎやすくなります。
これから波板をDIYで施工したいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

波板の固定の仕方

代表的な波板の留め具

波板を固定する留め具の種類やそれぞれの固定方法、施工に適した下地を以下にて紹介します。
以下の内容を参考にして、波板の留め具は施工箇所の下地に合わせて選ぶようにしましょう。

 

ビス

波板ビス2

ビスは、ネジに傘のようなカバーが上部についた留め具です。
下地にねじこむようにして波板を留めます。
取り付ける際は電動ドライバーを使いますが、穴があけにくい場合はキリを使いましょう。
下地が木材の場合に使用されますが、金属下地のためのビスもあります。

 

ポリカフック

ポリカフック

ポリカフックはポリカーボネートでできた留め具で、「し」の字のようなフックの形をしています。
波板に穴をあけて、ポリカフックの先端を差し込み、下地に引っかけるようにして留めます。
ポリカフックは、アルミ材のC型鋼(かたこう)の下地に適した留め具です。
下地によって、フックの長さを選んで施工しなければいけません。

 

フックボルトセット

フックボルトセット

フックボルトセットは、金属製のフックで下部がL字型をしている留め具です。
金属で出来ているので耐久性に優れており、波板との密着性も高いためしっかりと固定できます。
ポリカフックと同様に、下地に穴をあけて下地に引っかけるようにして留めます。
フックボルトは、L字アングルの下地への施工に適しています。
L字アングルとは、Ⅼ字型の波板を支える建材のことです。

 

傘釘

傘釘

傘釘は、その名の通り傘のような頭部を持つ釘です。
一般的な釘とは異なり、芯の部分にネジのような刻みが入っています。
下地にねじるように差し込んで留めるので、しっかりと固定できます。
また、傘が波板の山部分にきれいに被さるため、雨漏りを防ぎやすくなるのです。
傘釘の施工は木材の下地に適しています。

 

波板をカーポートやベランダの屋根に固定する手順

カーポートの屋根2

波板を固定する際は、以下のような手順で行ってください。

・留め具を取り付ける箇所に印をつける
・印をつけた箇所に穴をあける
・穴をあけた箇所に留め具を取り付ける

留め具を間違った箇所に取り付けないためにも、あらかじめマジックや鉛筆などで印をつけておくと安心です。
留め具を取り付けるための穴をあける際は、電動ドライバーやキリを使います。
以下にて、波板屋根の固定の仕方を動画で紹介します。
DIYで施工予定の方は、ぜひチェックしてみてください。

波板の固定は上から?下から?

波板修理画像11

波板は上から固定していくのが一般的です。
まずは、骨組みを作るために垂木、野縁の順に部材を取り付けていきます。

できた骨組みに波板を被せて、上から固定できるようにはしごにのぼって作業をします。
はしごを置くスペースを確保しなくてはいけないので、施工にはある程度の広さが必要になるでしょう。

身を乗り出して上側から固定すると危険が伴うケースもあるため、安全面を考慮して下側から固定することもあります。

下側から取り付ける場合は、野縁・波板・垂木の順に設置することが多いでしょう。
上からでも下からでも波板の固定はできるので、どちらの施工方法でも問題はありません。

波板を固定する留め具/金具はどこで購入できる?

ポリカ屋根
波板の固定に使う留め具や金具を入手したい場合は、以下の3つの場所で購入できます。

・ホームセンター
・インターネット通販
・業者向けの工具店

購入先の情報を解説します。

ホームセンター

波板に使われる部品は、コメリやカインズなど大手ホームセンターで取り扱いしています。
店舗に陳列されている部品もあれば取り寄せになることもありますが、気軽に購入できる場所です。

ホームセンターによっては、在庫があるかどうかを電話で教えてくれる場合があります。
確認せずに店舗に行くと、在庫がなかった場合は無駄足になってしまうので、事前に問い合わせておくとよいでしょう。

インターネット通販

楽天やアマゾンなどのインターネット通販でも、波板を固定する留め具や金具の購入が可能です。
通販サイトを利用する場合は、自宅の屋根に使われている部品と同じタイプを探すのが無難です。

独断で別の種類を取り付けると、素材に合わなくて不具合が起きる可能性があります。
通販サイトに記載しているサイズや形状、商品名などをよくチェックしましょう。

業者向けの工具店

建設業者向けの工具店や金物店で、波板の固定に必要な部品を取り扱っていることもあります。
業者向けの専門店なので、ホームセンターや通販にはない種類も販売しているかもしれません。

業者向けのお店でも、あらかじめ注文すれば個人で購入できるケースもあるので、一度問い合わせてみるのもおすすめです。

留め具/金具をつける前に波板の種類を確認しよう

波板修理画像5

波板には、さまざまな種類があります。
地域や使い道などによって適切な素材は違ってくるので、まずはどのような種類があるのか確認しましょう。

・トタン製
・塩化ビニル樹脂製
・塩化ビニル樹脂製/ガラスネット入り
・ガルバリウム鋼板製
・ポリカーボネート製

「トタン」「塩化ビニル樹脂/ガラスネット入り」は現在ほとんど流通がありません。
もっとも使いやすく、おすすめとされるのは「ポリカーボネート製」の波板です。

それぞれの特徴を解説します。

トタン製

トタンは、金属製のベースに亜鉛がメッキされた耐性のある薄い板です。
昔は住宅の屋根にもよく利用されていましたが、今はほとんど使われていません。
潮風に当たると錆びやすく、加工がしにくい弱点があります。

既存の波板がトタン製の場合は、別の素材を導入しましょう。
耐久性の高さを重視すると、ポリカーボネートやガルバリウム鋼板がおすすめです。

塩化ビニル樹脂製/ガラスネット入り

塩化ビニル樹脂は合成樹脂の一種で、金属に比べて安く入手できる素材です。
安価であり切断や加工しやすい素材ではありますが、劣化が早いため長期間の使用には向いていません。

塩化ビニル樹脂のなかに、ガラス繊維を入れて強度をあげた製品もあります。
建築基準法で定められた延焼しにくい認定も受けているため、安全性の高い素材です。
しかし加工が難しく、耐用年数もあまり長くない点はデメリットです。

ガルバリウム鋼板製

ガルバリウム鋼板は、耐熱性や耐食性に優れた金属の素材です。
ほかの素材に比べてやや高い価格ですが、長持ちしやすいのがメリットです。
錆に強い性質も備えているため、沿岸部での使用も問題ありません。

ただし、透明度のない素材なので、光が遮断されてしまい屋根の下が暗くなります。
部屋のなかまで光が行き届かなかったり洗濯物が乾きにくかったりするので、不便に感じる人もいるかもしれません。

ポリカーボネート製

ポリカーボネートは、透明性に優れていて、耐衝撃性や耐紫外線も高い素材です。
飛散物や紫外線の影響を受けやすい、バルコニーやカーポートの屋根材にはおすすめです。
透明度を保ちつつ紫外線をカットするタイプもあるので、採光も期待できます。

加工もしやすいことから、多くの業者が取り扱うようになりました。
金属に比べて価格も安いので、材料費を抑えられるメリットもあります。

注意点としては、ほかの素材とは違って裏表があることです。
裏表を間違えて固定すると、劣化しやすくなってしまうので気をつけてください。

 

波板を固定する際に気を付けるポイント

波板2

波板を固定する際、気をつけなければいけないポイントがいくつかあります。
以下にて、主な注意点を2つ紹介します。

 

留め具は5山ごとに取り付ける

留め具は波板の5山ごとに取り付けるのが一般的です。
ただし、強風が吹きやすかったり台風の通り道になりやすかったりする地域は間隔を狭めて留め具を取り付ける場合があります。
留め具が足りないと、強風にあおられたり激しい雨にあたったりした場合、波板が外れやすくなります。
飛ばされた波板が人や物に直撃すると大きな事故になってしまうので、留め具を取り付ける間隔には注意しておきましょう。

 

留め具は山側に取り付ける

留め具は必ず山側に取り付けてください。
谷側に取り付けると、雨漏りの原因になったり、雨水の流れをせき止めてしまったりする可能性があります。
また、谷側に留め具を取り付けると、波板が強い衝撃を受けたときに変形しやすくなります。
波板の留め具は、しっかりと固定できる山側に取り付けるようにしましょう。

波板の固定はDIYでできるのか?

波板切断10

DIYでも波板の固定は可能です。
業者が施工している動画や記事を参考にすれば、実践できるでしょう。

扱いやすい素材は、ガラスネット入りの塩化ビニル樹脂製とポリカーボネートです。
カッターで簡単に切断できるので、素人でも施工ができます。

ただし、カーポートやベランダ屋根、どちらの波板の施工であっても高所作業になるため注意が必要です。

きれいな仕上がりにするためにも、できるだけ業者に頼むのが得策です。
波板の施工に対応している依頼先は、以下で紹介します。

波板の修理をお願いできる業者とは?

説明

波板の修理ができる依頼先をお探しの方は、以下の3つの業者に相談してみましょう。

・リフォーム業者
・ホームセンターと提携している業者
・建築板金業者

それぞれの特徴を解説します。

リフォーム業者

リフォーム業者は、さまざまな工事を扱っています。
水回りや外構、増設などさまざまな分野の下請け業者と契約しているからです。
そのため、波板の修理にも対応しているリフォーム業者も多くいます。

リフォーム業者は各地域に多数あるので、近くの会社を探しやすいのがメリットでしょう。
しかし、修理当日にならないと、どのような職人さんが対応してくれるのかがわからない点はデメリットです。

波板以外の工事も一緒に契約する場合は、リフォーム業者でまとめてすると探す手間が省けます。

ホームセンターと提携している業者

ホームセンターで資材を買うと、施工もお願いできることがあります。
懸念点としては、委託されている職人が来るので、どのような人なのかが当日までわからないことです。

もうひとつ、購入時に依頼しても当日に施工してもらうことは難しいでしょう。
日程調整をしたうえで施工することがほとんどなので、予定日まで材料を管理しなければならないケースもあります。

ホームセンターに施工を依頼する際は、余裕を持った日程で依頼するとよいでしょう。

建築板金業者

波板の修理は建築板金業者に依頼するのがもっともおすすめです。
建築板金業者は屋根の専門家なので、安心して頼めるからです。
波板以外にも、雨樋や屋根に不具合がある場合は、ついでに相談してみるとよいでしょう。

しかし、ホームページがなかったり直接取引をしていなかったりする建築板金業者もいます。
お住まいの地域に建築板金業者がいる場合は、一度問い合わせてみてください。
インターネットで「地域名 建築板金業者」と調べると、見つけやすいでしょう。

業者に波板の修理を依頼した際の費用相場

費用

波板の修理を業者に依頼した際の費用相場は5〜20万円程度です。
バルコニーやカーポートの大きさ、採用する素材など状況によって費用は変動します。

また、波板を固定している留め具や金具のみの交換も可能です。
しかし、波板が劣化している場合は、交換時に破損してしまう可能性もあります。
耐用年数が過ぎている波板に修理が必要になった際は、全体交換を検討しましょう。

自宅の波板の修理金額を知りたいときはどうすればよい?

費用7

自宅の波板の修理金額を知りたいときは、業者に見積もりを依頼しましょう。
見積もり無料の業者もあるため、うまく活用するのがポイントです。

自宅の波板の状況がわかると見積もりもしやすくなるので、修理したい箇所の部分写真と全体写真の準備をしましょう。

相見積もりをする場合は、情報を整理しやすいように2社までにしておくのがおすすめです。
見積もりでは金額以外にも、担当者の応対力や業者の施工実績もよく確認しましょう。

Googleのストリートビュー(マップ)で見積もりができるサービスもあるので、ぜひ利用してみてください。

 

波板は下地に合った方法でしっかりと固定しよう

波板(ポリカ)3

波板は下地に適した留め具を使って、しっかりと固定しなければいけません。
また、留め具を取り付ける間隔や施工箇所を間違わないように注意しましょう。
波板は正しい方法で固定して、破損や事故を未然に防ぐようにしましょう。

「波板屋根って?ポリカーボネートって?」では、波板に適した素材をご紹介しています。
耐久性に優れた素材が欲しい場合はぜひご確認ください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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