波板コラム

ガルバリウム鋼板で作る波板の特徴と価格、使用するときのポイントを解説

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「ガルバリウム鋼板による波板の使用を検討している」
「ガルバリウム鋼板でつくられた波板の利点や欠点を知りたい」

そんなあなたへ、ガルバリウム鋼板の特徴や価格、使用時のポイントについてご紹介します。
ガルバリウム鋼板は20年以上の耐用年数を誇る建材です。
長持ちするうえに錆びにくいことから、多くの建物で使用されています。
ただ、デリケートでメンテナンスの手間がかかるという弱点もあります。

特徴を知ったうえで、適切なメンテナンスができればガルバリウム波板の強みを活かせるでしょう。

 

ガルバリウム波板とは

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ガルバリウム波板はガルバリウム鋼板を波の形に加工した建材です。

ガルバリウム鋼板とは、鋼板に溶融した亜鉛とアルミ、シリコンを付着させている板です。
耐用年数は20年を超え、耐食性能に優れることも魅力のひとつです。

ガルバリウム鋼板が開発される前は、鋼板や鉄板に溶融した亜鉛を付着させている板「トタン」が使われていました。

ガルバリウム鋼板はアメリカで開発されてから時間をかけて屋根や外壁の建材として日本でも評価されるようになったのです。
いまでは屋根や外壁の建材として無くてはならないものとなっています。

 

ガルバリウム鋼板の強み

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ガルバリウム鋼板はどのような点で優れているのか。
強みといえるポイントは以下の3つです。

・錆びに強い
・耐久性に優れている
・熱反射率に優れている

それぞれ詳しくご紹介します。

 

錆びに強い

ガルバリウム鋼板のメッキは、耐食性のあるアルミニウムが55%含まれています。
耐食性があるとは錆びに強いことと同じです。

「錆びない」と誤解されることもありますが、ガルバリウム鋼板も錆びます。
あくまで他の建材より「錆びに強い」だけです。

 

耐久性に優れている

ガルバリウム鋼板のメッキには、防食作用のある亜鉛が43.4%含まれています。
傷が入って鉄がむき出しになってしまっても亜鉛が鉄より早く溶け出して内部を保護します。

これにより、ガルバリウム鋼板の芯である鉄が腐食せずに済むのです。
芯への腐食を防ぐことで、耐久性が持続して耐用年数が延びていきます。

 

熱反射率に優れている

ガルバリウム鋼板は熱反射性に優れています。
熱反射により太陽光の影響を直接受ける屋根の温度上昇を防ぐことが可能です。

表面だけでなく屋内の温度の上昇も防げるため、ガルバリウム鋼板は建材として重宝されています。

 

ガルバリウム鋼板の弱み

ポイント

耐用年数が長く、錆びや温度上昇が防げるガルバリウム鋼板にも弱みがあります。
ガルバリウム鋼板が弱い部分は以下の3つです。

・非常にデリケートで扱いが難しい
・湿気を逃がしてあげる手間が必要となる
・手入れを怠ると耐用年数が短くなる

それぞれ詳しくご紹介します。

 

非常にデリケートで扱いが難しい

ガルバリウム鋼板は傷がつきやすい建材です。
錆びに強くても、原因となる傷への強さがありません。

他の建材と接触したり、くっつけたりするだけで傷んでしまいます。
デリケートな素材のため、積極的には使わない業者もいるといわれています。

 

湿気を逃してあげる手間が必要となる

ガルバリウム鋼板は湿気を通しません。
湿気を逃すことを考慮したうえで施工が必要となるため、作業にひと手間かかります。
湿気を逃がす道を作り忘れると、水滴が溜まって雨漏りや他の建材が劣化する原因になるでしょう。

 

手入れを怠ると耐用年数が短くなる

ガルバリウム鋼板の20年以上という耐用年数は、メンテナンスしてこその長さです。
水洗いや補修、張り替えなどのメンテナンスを怠れば劣化が早くなります。
場合によっては短期間で錆びが出てくるでしょう。
そうならないためにも、お手入れをしっかり行うことをおすすめします。

メンテナンスの例には以下があります。

・年1回はガルバリウム鋼板を水で洗う
・10年に1度は塗装メンテナンスをする
・傷や穴、割れは早めに補修する

ガルバリウム鋼板の現状を確認し、状態に合ったお手入れをしましょう。

なお、波板ではなく外壁のガルバリウム鋼板(金属系サイディング)については以下サイトが参考になります。

参考サイト「金属系サイディングの塗装のすべて!タイミングから適した塗料や費用まで」

 

ガルバリウム波板の規格サイズの種類

ガルバリウム鋼板の波板

ガルバリウム波板には、以下のような様々なサイズがあります。

・6尺
・8尺
・10尺

3尺や4尺は既製品では販売されていないので、必要な際は6尺または8尺を分割して使用します。
6尺のガルバリウム波板の規格サイズは、縦が1,820mmで幅が795mmです。
ポリカーボネート製の波板は、同じ6尺でも縦が1,820mm、幅が655mmとサイズが異なります。

6尺の波板を面積に変換した場合は、ガルバリウム製は1.5平方メートルほどで、ポリカーボネート製は1.2平方メートル程度となります。
このように、波板は尺は同じでもサイズが素材によって異なるため、購入する際は注意しておきましょう。

なお、ホームセンターなど一般の方が購入できる量販店では定尺(サイズが決まった物)での販売となりますが、一般的な工事店ではミリ単位での発注・購入が可能です。

 

ガルバリウム波板の単価

費用

ガルバリウム波板の単価は、6尺で2,000〜4,000円程度が相場です。
ポリカーボネート製の波板の場合は、同じ6尺でも1,500~3,500円程度となります。
なお、波板を用いた屋根の張り替え工事を業者に依頼した場合は、5~20万円程度が費用相場です。

ただし、施工する屋根の広さや、使用する波板の素材などで工事費用は変わってきます。
必ず見積もりを取って、費用の内訳を説明してもらいましょう。
また、業者選びに迷った場合は、それぞれの見積もり内容を確認して適正価格で受注してくれる会社を選ぶとよいでしょう。

 

ガルバリウム波板を屋根に施工する手順

工具

ガルバリウム波板を屋根に施工する手順は、以下の通りです。

・既存の留め具を外す
・古い波板を外す
・下地の掃除をする
・新しい波板をカットする
・新しい波板を屋根に固定する

まずは、既存の留め具と波板を取り外していきます。
留め具は手で外れるタイプもありますが、電動ドライバーやプラスドライバーがあると便利です。
留め具を取り外したら、古い波板も撤去します。
古い波板は軽い衝撃で割れる場合があるため、ケガをしないように注意しておきましょう。

古い波板もすべて撤去できたら、下地を整えます。
波板を長年設置していると、下地や溝にゴミが溜まっている場合があります。
波板を交換する際は下地や溝を掃除するチャンスなので、ゴミや落ち葉などをきれいに取り除いておきましょう。
同時に、下地が劣化したり破損したりしていないかも確認してみてください。
下地が激しく傷んでいる場合は、安全のためにも交換が必要です。

次に、新しい波板を下地に合わせてカットします。
ガルバリウム製の波板をカットする際は、電動ノコギリを使用します。
最後に、新しい留め具で波板を屋根にしっかりと固定すれば作業は完了です。

 

ガルバリウム波板を施工する際に押さえておくべきポイント

ポイント3

ガルバリウム波板を施工する際に注意すべきポイントは、以下の4点です。

・ぞんざいに扱わないようにする
・留め具は波板の山側に固定する
・留め具は波板の5山おきに固定する
・留め具は適したタイプを使用する

それぞれの具体的な内容を詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

 

ぞんざいに扱わないようにする

ガルバリウム鋼板は素材が金属で傷つきやすいので、ぞんざいに扱わないようにしましょう。
傷がつくとサビが発生して耐久性が下がり、寿命が短くなります。
特に、カットする際や設置時には注意が必要です。
また、重ねて持ち運ぶ際にも傷がつかないようにしましょう。

 

留め具は波板の山側に設置するようにする

留め具は必ず波板の山側に設置してください。
谷側に設置すると、雨が降った際に留め具と波板の隙間から雨漏りする危険があります。
ガルバリウム製に限ったことではなく、全ての波板に共通する注意事項なのでぜひ覚えておいてください。

 

留め具の固定は5山おきに行う

波板の留め具は5山おきに設置するのが一般的です。
ただし、強風地域では5山よりも幅を狭めて留め具を設置して波板の強度を上げます。
ご自宅の波板屋根に適した留め具の設置間隔がわからないという方は、業者に施工を依頼すると失敗を防げるため安心です。

 

留め具は適したタイプを使用する

ガルバリウム波板を固定する際は、下地に適したタイプの留め具を使用しましょう。
波板の留め具には、以下のような種類があります。

・ビス
・傘釘
・ポリカフック
・フックボルト
・パイプボルト

留め具は下地素材によって適したタイプを選ばなければいけません。
ビスは下地が木や金属の場合に適しており、ポリカフックは下地がアルミ製の場合に使用します。
ポリカフックは、下地に合った長さのタイプを選ぶようにしましょう。

フックボルトセットはL型アングルの場合に、パイプボルトは下地がパイプの際に使用します。
留め具はガルバリウム波板を設置する下地に合ったタイプを選んで施工しましょう。

ガルバリウム波板を扱いたいのなら複数の業者へ相談しよう

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ガルバリウム鋼板の波板を取り扱う業者を見つけるのが難しくなっているといわれています。
なぜなら、ガルバリウム鋼板を扱う「建築板金業者」の会社数が減っているとされているためです。
どうしてもガルバリウム波板を使いたい方は、まずは弊社にご相談ください。

「波板屋根って?ポリカーボネートって?」では、波板に適した素材をご紹介しています。耐久性に優れた素材が欲しい場合はぜひご確認ください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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