波板コラム

波板のビスの打ち方とは?取り付ける間隔や留め具の種類も詳しく紹介

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波板とは、屋根材として使われる波状になっている板の総称です。
カーポートや駐輪場、ベランダの屋根が波板というご家庭も多いことでしょう。
波板は耐久性があり、軽くて柔らかいのが特徴です。
波板の施工方法は、留め具を使って下地材に張りつけて設置します。
この記事では、波板のビスの打ち方について詳しく解説していきます。
また、留め具の種類や取り付ける間隔などもわかりやすく解説していきましょう。

波板のビスとは

波板5

波板用ビスとは、波板を屋根の下地に固定するための留め具のことです。
ビスは屋根の下地が木や金属でできている際に使用します。
波板用のビスは、ネジのように溝の入った釘に傘が付けられた形状です。
溝があることで波板屋根を下地にしっかりと固定できるため、施工後の強度が増します。
また、傘が付いていることで金属製の留め具を雨水から守って、サビによる劣化を防げるという効果があります。

 

波板にビスを打つ際に必要な道具

工具

波板にビスを打つ際には、主に以下の5つの道具が必要となります。

・電動ドライバーかキリ
・マジック
・金づち
・脚立

各道具が必要となる理由を、順に解説します。
まず用意していただきたいのは、電動ドライバーです。
電動ドライバーは波板に穴をあける際に役立つので、ぜひ用意しておきましょう。
電動ドライバーが手に入らない場合は、代わりにキリでも穴をあけられます。
しかし、多くの穴をあけることになるため、電動ドライバーがあるとより速く、ラクに作業できるでしょう。
また、穴をあける前にどの場所にビスを打つのかをきちんと決めておけば失敗を防げます。
そのため、ビスを打つ場所に印をつけるためのマジックを用意しておきましょう。
水性マジックだと滲んでしまう可能性があるので、油性タイプの使用がおすすめです。
ビスを固定する際には金づちも必要です。
最後に、高い場所でも安全に作業ができるように脚立も用意してください。
施工する屋根の高さに合った脚立を選びましょう。
今回紹介した5つの道具は全てホームセンターやネット通販で購入できますので、作業前に準備しておくとよいでしょう。

 

波板のビスの打ち方

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波板へのビスの打ち方は、打ち場所をきちんと決めてから電動ドライバーを使って打っていきます。
電動ドライバーでは下穴があけにくい場合は、キリを使うと施工しやすいです。
また、ビスを打つ際は波板がずれないようにしっかりと押さえておきましょう。
ビスの打ち場所は、マジックで印をつけておくと失敗が少なくなります。
また、波板にビスを打つ際は、決められた間隔で施工するようにしなければいけません。
波板にビスを取り付ける間隔について、以下で詳しく解説していきます。

 

波板にビスを取り付ける間隔

波板(ポリカ)4

波板にビスを取り付ける際は、一般的に5山間隔で打ちます。
波板には6~10尺までのサイズがありますが、幅は655mmで統一されています。
波板を取り付ける下地には、母屋とよばれる柱が横向きに設置されています。ビスはその上に留めていきましょう。
母屋以外の場所に留めると、ビスがしっかりと固定されずに波板をうまく設置できません。はじめて波板にビスを留める場合は、母屋の位置を確認してから施工するようにしましょう。

 

ビスを取り付ける際の注意点

波板ビス3

波板をしっかり下地に留めるためには、いくつか注意すべきポイントがあります。
以下にて、波板にビスを取り付ける際の注意点を紹介します。ぜひ、参考にしてください。

 

山の部分に取り付ける

ビスは必ず波板の山の部分に取り付けます。谷に取り付けると、ビスが雨水の流れを妨げたり、雨漏りを起こしたりします。
また、山の部分が固定されていない場合、飛来物による衝撃で破損しやすくもなるのです。波板の強度を上げるためにも、ビスは必ず山の部分に取り付けるようにしましょう。

 

波板の重なり部分は2.5山以上重ねて固定する

波板を複数枚使う場合は、必ず2.5山以上重ねて固定してください。2.5山未満だと、重ねた部分から雨水が入り込んでしまい、漏水の恐れがあります。
施工に必要な波板の寸法を測る際、重なる部分の2.5山分も計算に入れてください。
2.5山分の寸法は約80mmです。
波板の規定の幅は655mmなので、1枚あたり80mmを引いて575mmで計算しましょう。

 

波板の種類に合ったサイズのビスを選ぶ

ビスのサイズは、固定する波板の種類に合った長さを選びましょう。
波板は種類によって谷の深さが異なります。
波板の形状に合ったサイズのビスを使わないと、上手く下地に固定できないため注意しておきましょう。
波板の種類には、以下の4つがあります。

・鉄板小波
・スレート小波
・スレート大波
・鉄板大波

種類ごとに必要となるビスのサイズをそれぞれ紹介していきます。
「鉄板小波」は、谷の深さが9mmと浅いタイプです。
屋根の下地が金属製の場合は、長さが25mm以上あるビスを使用します。
木製の下地の際には、少し長めの35mm以上のビスを使用するようにしましょう。
「スレート小波」は、谷の深さが18mmの波板です。
使用するビスの長さは、下地が金属製の場合には35mm以上を選びます。
屋根下地が木製のときには、50mm以上のタイプが必要です。
「スレート大波」は谷の深さが36mmもあり、山同士の間隔も広めです。
屋根の下地が金属製の場合は60mm以上、木製の際は75mm以上あるビスを選びます。
「鉄板大波」はスレート小波と同じく谷の深さが18mmです。
金属製の下地に固定するのであれば、40mm以上あるビスを使います。
下地が木製の場合は、65mm以上の長さのビスが必要です。
波板の形状に合っていないビスを使うと施工不良につながりますので、留め具を購入する際は必ずサイズを確認しましょう。

 

ケガや転落事故に注意して行う

波板を高所に設置する際には、転落に十分注意しておきましょう。
脚立は安定した場所に置いて、固定のための開き止め金具を確実にセットするようにしましょう。
可能であれば、ほかの人に脚立を押さえてもらいながら作業することをおすすめします。
また、電動ドライバーやキリを使う際にはケガに注意しましょう。
軍手を着用すれば、より安全に作業ができます。

 

波板にビスを打つのはDIYで可能?

DIY

場合にもよりますが、基本的には波板にビスを打つことはDIYでできます。
安全に配慮して、手順を守って作業するようにしましょう。
ただし、DIYに慣れていない方が作業すると施工不良が起きてしまったり、ケガをしたりすることがあります。
自信がない方は無理をせずに、業者に依頼するようにしましょう。
また、屋根が高い位置にある場合も作業がしづらいことから、施工不良や大きなケガにつながりやすいです。
高所作業は業者に任せることをおすすめします。

ビス以外の波板の留め具の種類

波板を留める留め具には、ビス以外にも4つの種類があります。
以下にて、ビス以外の留め具の特徴と使い方をそれぞれ解説します。

傘釘

傘釘

傘釘は、頭の部分に傘に似た抑え材がついた留め具です。
波板の山の部分に沿うように取り付けられます。
傘釘は下地が木製の屋根に使います。

ポリカフック

ポリカフック

ポリカフックはポリカーボネート製のフックです。
耐久性に優れており、下部がフックのような形状をしています。
下地がアルミ製の屋根のときに用いる留め具です。

フックボルトセット

フックボルトセット

フックボルトセットはお尻の部分がL字型になっているボルトです。
下地がL字アングルの場合に使用します。
L字アングルとは、波板を固定するL字型の建材のことです。
ビスやボルトを入れる穴があいているタイプもあります。フックボルトセットは波板への密着性が高いため、しっかりと固定されて雨漏りも防げます。

パイプボルトセット

パイプボルトセット

パイプボルトセットは、先端が傘の取っ手のような形になっている留め具です。
下地がパイプの場合に用います。
パイプボルトセットを波板に取り付けたら、留め具の先端にパイプをはめ込めば固定できます。

波板のビスは決まった間隔で取り付けて強度を高めよう

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波板には山と谷があります。
波板をしっかりと固定して強度を高めるためには、山の部分へ均等にビスを打ち込みましょう。
また、下地の種類によって使う留め具は変えなければいけません。
波板の設置がDIYでは難しいようであれば、専門業者に施工を依頼してください。

「波板屋根って?ポリカーボネートって?」では、波板に適した素材をご紹介しています。
耐久性に優れた素材が欲しい場合はぜひご確認ください。

内野 友和

この記事は私が書いています。

1979年生まれ。一級建築板金技能士。
父・内野国春の元で建築板金の修行を始め、2014年より代表となり家業を受け継ぐ。

20年以上、約5000件の現場経験で培った技術と知識で、建物の屋根・雨樋・板金・外壁工事を通じ、地域の皆様のお役に立てるように努力しております。

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